「常磐線舞台芸術祭 2023」が7月31日から8月13日まで、福島県、宮城県、茨城県内常磐線沿線ほかで開催される。
「常磐線舞台芸術祭 2023」は、
開催に向けて柳は「先ず、つなぐ、という意志を持つ。つなごうとした指先が届かなかったとしても、つないだ後に再び隔たりが生じてしまったとしても、わたしから出発してあなたへと向かう、その軌跡が糸となり泉となり得るのではないか?」とコメント。平田は「風評もフェイクも、過去も未来も、そして震災と原発事故でズタズタになってしまった福島・浜通りのそれぞれの市や町を、人々の小さな生活を、物語でつないでいく。この常磐線舞台芸術祭が、世界でも希な『線』の芸術祭に育っていければと願います」と思いを語った。芸術祭の詳細は続報を待とう。
柳美里 コメント
今、ここで、舞台芸術に何ができるのか?
それは、隔てられているものを、どうしたらつなぐことができるのか、という問いでもある。
線と言う言葉は、分断や対立に用いられるが、糸と泉で成り立っていることから、人間の本源が対立ではなく、混じり合うところにあるということを表している、とわたしは思う。立場や考え方によって隔てられていても、わたしたちは互いに重層して関連し合う空間と時間の中に生まれ、食べ、暮らし、そして死んでいく。
先ず、つなぐ、という意志を持つ。つなごうとした指先が届かなかったとしても、つないだ後に再び隔たりが生じてしまったとしても、わたしから出発してあなたへと向かう、その軌跡が糸となり泉となり得るのではないか?
平田オリザ コメント
connecting the dots
昨今、教育の世界でも、この言葉がよく使われるようになりました。いつでも、どこでも、(にせものも含めて)情報を大量に得られるこの時代に、点と点、得られた情報と情報の断片をつないで、物語を紡いでいく能力が求められます。
これまで、ふたば未来学園で行ってきた演劇教育も、まさにそのような営みだったのだと思います。
風評もフェイクも、過去も未来も、そして震災と原発事故でズタズタになってしまった福島・浜通りのそれぞれの市や町を、人々の小さな生活を、物語でつないでいく。
この常磐線舞台芸術祭が、世界でも希な「線」の芸術祭に育っていければと願います。
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柳美里 @yu_miri_0622
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