尾上菊五郎、孫・尾上眞秀の祝幕に感謝「この幕に負けないよう、稽古に励んでおります」

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「團菊祭五月大歌舞伎」昼の部「音菊眞秀若武者」に向けて制作された祝幕のお披露目会見が、本日4月28日に東京・歌舞伎座で行われた。

左から尾上眞秀、尾上菊五郎。

左から尾上眞秀、尾上菊五郎。

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祝幕の全体像。

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祝幕は、初舞台や襲名披露興行の際に、定式幕の代わりに使用される特別な引幕。このたびお披露目されたのは、「音菊眞秀若武者」で初舞台を踏む尾上眞秀のために作られた祝幕で、シャネルのサポートのもと、現代アーティストのグザヴィエ・ヴェイヤンがデザインし、フランスの刺繍工房モンテックスのアーティスティックディレクターであるアスカ・ヤマシタの協力で制作された。

祝幕を見上げる尾上眞秀(右から2番目)と、眞秀の姿を見つめる尾上菊五郎(右端)。

祝幕を見上げる尾上眞秀(右から2番目)と、眞秀の姿を見つめる尾上菊五郎(右端)。[拡大]

会見には、眞秀、ヴェイヤン、ヤマシタ、そして、眞秀の祖父であり、「音菊眞秀若武者」の演出も手がける尾上菊五郎が登壇。劇場がふっと暗くなり、再び照明が点くと、舞台上には色鮮やかな円形のパーツで構成された、巨大なピクセルアートのような祝幕が現れた。祝幕は高さ5.3m、幅25.4mもの大きさで、上手側には音羽屋の家紋である重ね扇に抱き柏が、下手側には眞秀の名前が、チャコールグレーのシルクオーガンザで描かれた。

尾上眞秀(右)に視線を送るグザヴィエ・ヴェイヤン(左)。

尾上眞秀(右)に視線を送るグザヴィエ・ヴェイヤン(左)。[拡大]

「私は、眞秀さんが5歳のときに出ていた舞台を拝見したことがあります」と明かしたヴェイヤンは「この祝幕は、遠くから見ると具象的ですが、近くで見ると抽象的なデザインになっています。このように抽象的かつダイナミックなのは、眞秀さん自体をダイナミックな方だと感じたからです」と笑顔で話し、眞秀に目配せをした。

アスカ・ヤマシタ

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ヤマシタは「実際に、このように舞台上の幕を見て、大変感動しております。幕が生き生きと息づいているように感じます」と微笑む。エクリュカラーのファブリックの上には、レーザーで丸くカットされた全20色のオーガンザが、約8900枚も縫い付けられており、フランス・パリで行われた制作時間は、800時間を超えたという。ヤマシタは「このサイズの作品を作るのは、モンテックスにとってもかつてないことでした」と話し、「私も眞秀さんと同じように、日仏の文化を両方受け継いでおりますので、このような経験をさせていただき、大変光栄に感じております」と言葉に力を込めた。

尾上菊五郎

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尾上眞秀

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菊五郎は「シャネルさまのご厚意によって、このような素敵な引幕をちょうだいし、眞秀は幸せ者でございます。この幕に負けないように、毎日一生懸命稽古に励んでおります」と述べ、「『音菊眞秀若武者』も、一生懸命皆さんと相談しながら作っております。こういう斬新なデザインの幕の中でお芝居ができること、幸せに思っております」と続ける。眞秀は「尾上眞秀です」とあいさつしたあと、祝幕について「カラフルなものが好きなので、すごく気に入っています。前に祝幕の写真を見たときは、ドットが写してあるように見えましたが、近くで見ると布が貼ってあってびっくりしました」とうれしそうに語った。

記者から、あと4日で初日を迎えることへの意気込みを問われると、眞秀は「もうあと4日?という感じです」と心境を吐露。菊五郎は「今日やった『音菊眞秀若武者』の稽古には、出演者全員がそろったのですが、(眞秀が)その雰囲気に飲まれちゃってね。でもだんだん慣れるでしょう。重要なのは、うまく演じることよりも、子役らしく元気なこと。お客様に元気を与えられるような初舞台なら成功だと思います」と眞秀に視線を投げる。眞秀は「立役のときの衣裳が思ったより重く、動きづらいと感じたので、もっと力強くならないといけないなと思っています」と反省点を語った。

左から尾上眞秀、尾上菊五郎。

左から尾上眞秀、尾上菊五郎。[拡大]

会見中、ヴェイヤンにより、祝幕に施された眞秀の名前が、眞秀の母・寺島しのぶの字であることが明かされた。母の書いた文字への感想を求められた眞秀は「(母は)習字をやっていたから、できるんじゃないかな……」と困ったように返答。眞秀の様子に、菊五郎は「芝居のほうが大変で、それどころじゃないって感じですね(笑)」と笑みをこぼした。「團菊祭五月大歌舞伎」は、5月2日に歌舞伎座で開幕する。

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歌舞伎座新開場十周年「團菊祭五月大歌舞伎」

2023年5月2日(火)~27日(土)
東京都 歌舞伎座

昼の部

一、「寿曽我対面」

出演
工藤左衛門祐経:中村梅玉
曽我五郎時致:尾上松也
曽我十郎祐成:尾上右近
小林朝比奈:坂東巳之助
化粧坂少将:坂東新悟
八幡三郎:中村莟玉
梶原平次景高:中村吉之丞
近江小藤太:中村亀鶴
梶原平三景時:大谷桂三
鬼王新左衛門:大谷友右衛門
大磯の虎:中村魁春

二、「十二世市川團十郎十年祭『若き日の信長』」

作:大佛次郎
美術原案:守屋多々志

出演
織田上総之介信長:市川團十郎
木下藤吉郎:市川右團次
弥生:中村児太郎
五郎右衛門:市川男女蔵
甚左衛門:大谷廣松
監物:市川九團次
林美作守:片岡市蔵
僧覚円:市川齊入
林佐渡守:市村家橘
平手中務政秀:中村梅玉

三、「『音菊眞秀若武者』岩見重太郎狒々退治 初代尾上眞秀初舞台」

脚本:今井豊茂
演出:尾上菊五郎

出演
岩見重太郎:尾上眞秀
弓矢八幡:尾上菊五郎
長坂趙範:尾上松緑
藤波御前:尾上菊之助
大伴家茂:市川團十郎
渋谿監物:坂東彦三郎
趙範手下鷹造:坂東亀蔵
腰元梅野:中村梅枝
村の若い者萬兵衛:中村萬太郎
同 光作:坂東巳之助
同 佑蔵:尾上右近
重臣布勢掃部:市川團蔵
局高岡:中村時蔵
重臣二上将監:坂東楽善

夜の部

一、「宮島のだんまり」

出演
傾城浮舟太夫実は盗賊袈裟太郎:中村雀右衛門
畠山庄司重忠:中村又五郎
典侍の局:中村梅枝
悪七兵衛景清:中村歌昇
相模五郎:中村萬太郎
大江広元:尾上右近
白拍子祇王:中村種之助
御守殿おたき:中村歌女之丞
浪越采女之助:中村東蔵
平相国清盛:中村歌六

二、「春をよぶ二月堂お水取り『達陀』」

作:萩原雪夫
美術原案:守屋多々志

出演
僧集慶:尾上松緑
青衣の女人:中村梅枝
幻想の集慶:尾上左近
練行衆:片岡市蔵
同:中村松江
同:中村歌昇
同:中村萬太郎
同:坂東巳之助
同:坂東新悟
同:尾上右近
同:大谷廣太郎
同:中村種之助
同:中村児太郎
同:中村鷹之資
同:中村莟玉
同:中村玉太郎
同:市村橘太郎
同:中村吉之丞
堂童子:坂東亀蔵

三、「『梅雨小袖昔八丈』髪結新三」

作:河竹黙阿弥

出演
髪結新三:尾上菊之助
弥太五郎源七:坂東彦三郎
手代忠七:中村萬太郎
お熊:中村児太郎
車力善八:尾上菊市郎
勝奴:尾上菊次
家主女房おかく:市村萬次郎
家主長兵衛:河原崎権十郎
加賀屋藤兵衛:中村錦之助
後家お常:中村雀右衛門

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松竹演劇部 @shochiku_stage

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【会見レポート】#尾上菊五郎、孫 #尾上眞秀 の祝幕に感謝「この幕に負けないよう、稽古に励んでおります」 https://t.co/CTs12QW0Mu

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