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製作発表会には、劇団四季の吉田智誉樹代表取締役社長と、演出のシュワルツが登壇。吉田社長はマンガ「黒博物館 ゴーストアンドレディ」について、「藤田さんの独創的な視点でつづられた物語です。ファンタジックであると同時に人生の本質を示唆していると感じました」と語る。吉田社長は脚本・歌詞の高橋からも、本作について「ミュージカルにふさわしいとお墨付きをいただいた」と話し、「原作にはシェイクスピアやマザーグースの引用もあり、演劇好きな人の知的好奇心も刺激するのでは。原作の本質を大事にしながら、信念を貫くことの大切さや人生の価値とは何かという問いを投げかけるような、劇団四季らしい舞台にしたい」と舞台化への期待をのぞかせた。
劇団四季のオリジナルミュージカルを海外の演出家が手がけるのは、今回が初となる。吉田社長はシュワルツが演出に起用された理由を尋ねられると「我々が、スコットさんにほれ抜いているからです。彼のクリエーティビティを、ぜひ自分たちの作品に生かしたかった」と回答。吉田社長は「ノートルダムの鐘」を「人間の根源をしなやかに提示するスコットさんの手腕が発揮されていた」と振り返り、「スコットさんに『ゴースト&レディ』の演出をお願いすることに、悩みはなかった。きっとこの作品を見事に立体化してくれると思う」と厚い信頼を寄せた。
吉田社長は4月に本作のリーディングワークショップが行われたこと、8・9月頃に劇団でキャストオーディションが実施されること、来年2月上旬から稽古が始まること、また来年5月の開幕後、半年程度の東京公演のあとに地方公演も予定していることを明かす。
青年マンガ誌・モーニングに掲載されていた本作の舞台化について、吉田社長は「我々にとって新しいお客様と出会うチャンスになるかもしれない」と思いを口にする。さらに吉田社長は「オリジナル作品には、二次利用やオンライン配信、ゆくゆくは海外での上演など、幅広い可能がある。収益構造の多様化が必要とされている今、オリジナル作品の重要性を強く感じます」と話し、「『ゴースト&レディ』も劇団四季にとって重要なレパートリーになるよう、力を尽くしたい」と言葉に力を込めた。
シュワルツは劇団四季での「ノートルダムの鐘」のクリエーションを「とにかく素晴らしい時間を過ごし、感銘を受けた」と回顧し、マンガ「黒博物館 ゴーストアンドレディ」を読んだ感想を「非常にワクワクした。英語には早く続きを読みたくなる面白い本という意味の、“ページターナー”という言葉がありますが、この作品もそうだと思う」と笑顔で話す。
舞台化にあたってシュワルツは「メロディックな楽曲や、ゴーストたちが魔法のように現れたり消えたりする特殊効果、見応えのある素晴らしい舞台セットなどがハイライトになる」「演出を考えるうえで、この物語がラブストーリーだということを強調したい」とコメント。またシュワルツは、4月に行われたリーディングワークショップを「とても順調で、成功だった」と振り返り、「稽古に入るまでの10カ月は、あっという間に過ぎていきそう。きっとロマンチックで冒険にあふれ、愛やユーモア、マジックもあるミュージカルになる。観た人にインスピレーションを与える舞台にしたい」と顔を輝かせた。
記者から原作からの変更点を問われると、シュワルツは「今回のミュージカルでは、原作を追うところとそうでないところがある。舞台化にあたってフローレンス・ナイチンゲールの人生に実際に起きた出来事を盛り込みたいと思っています。原作の藤田さんとはそういった相談もしていて、台本を読んでもらいました。ポジティブなフィードバックをいただいています」と明かす。
また舞台ならではのゴーストの見せ方について、演出の構想を質問されたシュワルツは「舞台にゴーストを出す技術については、数百年前から伝統的なトリックがあります。そういった手法を使って、幽霊のミステリアスさを表現しつつ、現代的な技術も織り交ぜられたら」と言い、「あまりネタバレしたくないので、サプライズは取っておきます!」といたずらっぽく笑い、記者たちを和ませた。
劇団四季による最新オリジナルミュージカル「ゴースト&レディ」は、来年5月から東京・JR東日本四季劇場[秋]で上演される。チケットの発売は来年1月を予定。詳細は続報を待とう。
劇団四季 最新オリジナルミュージカル「ゴースト&レディ」
2024年5月~
東京都 JR東日本四季劇場[秋]
原作:
脚本・歌詞:高橋知伽江
演出:
作曲・編曲:富貴晴美
振付:チェイス・ブロック
イリュージョン:クリス・フィッシャー
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さかざき鳴 @maysakazaki
うおお…演出のスコットさんもスッゲー読んでおられる…!!
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