中村梅玉・中村又五郎・中村芝翫らが明治座の150周年をお祝い「壽祝桜四月大歌舞伎」

東京・明治座で4月に行われる「壽祝桜四月大歌舞伎」の取材会が、昨日2月27日に東京都内で行われた。

明治座の創業150周年を記念して実施される「壽祝桜四月大歌舞伎」は昼夜2部制。昼の部には「義経千本桜 鳥居前」「大杯觴酒戦強者」「お祭り」、夜の部には通し狂言「絵本合法衢」がラインナップされている。

取材会には、出演者の中村梅玉、中村又五郎、中村芝翫、片岡孝太郎、松本幸四郎、片岡愛之助が出席。梅玉は「明治座創業150周年記念公演に立てますことは、本当に名誉なことでありがたく思っている次第でございます」と述べ、「（明治座への）初出演は初舞台を踏んだ昭和31年です。お正月に歌舞伎座で初舞台を踏み、3月に父（中村歌右衛門）の舞台で明治座での初舞台を経験しました」と思い出を振り返る。

梅玉は「大杯觴酒戦強者」で井伊直孝、「お祭り」で鳶頭梅吉を勤める。「『大杯』は河竹黙阿弥が市川左團次さんに書かれたもの。黙阿弥の世話物とは一風変わったお芝居です。お酒に強い2人が、お酒を飲んでいろんな話をするという内容なので、共演する幸ちゃん（芝翫）に負けないようにお酒を飲みたいと思います。『お祭り』に関しては、明治座の150周年をお祝いできる演出を考えておりますので、いつもの『お祭り』とは別の楽しみ方をしていただけたらと」と話した。

又五郎は「私は夜の部『絵本合法衢』に出させていただきますが、とにかく幸四郎さんが悪い役なんです。私は良い役です。勧善懲悪ではありますが、人間の性みたいなものをご覧になっていただければ」と話し、芝翫は、襲名後初の明治座出演であることを明かしつつ「『大杯』は、左團次さんというたくさんの演劇の改革をされた方が演じたということもあり、演出もとてもリアルなものもありながら、世話であったり義太夫であったりする、歌舞伎の醍醐味が凝縮された作品だなと思います」とコメントした。

「絵本合法衢」で、孝太郎はうんざりお松 / 弥十郎妻皐月、幸四郎は左枝大学之助 / 立場の太平次を演じる。それぞれの役について、孝太郎は「私は悪い人の幸四郎さんの彼女になり損ねて殺されちゃう女性と、良い人の又五郎さんの奥さんの役と、両極端の役をやらせていただきます。幸四郎さんバージョンの『絵本合法衢』ができあがると思いますので、それをすごく楽しみにしております」、幸四郎は「悪い人です。あらゆるジャンルの歌舞伎がありますが、それが凝縮された演目が詰まっていると思います。色とりどりの匂いと色を楽しみ、刺激、悪い人を楽しんでもらいたい」と述べた。

「義経千本桜 鳥居前」で、佐藤忠信実は源九郎狐を初役で勤める愛之助は「芝翫兄さんに習って勤めさせていただきます。150周年ということで立ち廻りも含め演出も少し変わったものに、という思いもございます。皆様ぜひ明治座へ足をお運びください」と来場を呼びかけた。公演は4月8日から25日まで。