「二月大歌舞伎」幕開け、片岡仁左衛門の“一世一代”「霊験亀山鉾」や中村鷹之資の「船弁慶」

「二月大歌舞伎」が、昨日2月2日に東京・歌舞伎座で開幕した。

第一部には「三人吉三巴白浪」がラインナップ。今回は序幕の大川端庚申塚の場、吉祥院の場、そして大詰の本郷火の見櫓の場が披露され、尾上松緑が和尚吉三、中村七之助がお嬢吉三、片岡愛之助がお坊吉三を勤める。

第二部には中村魁春、七之助、中村雀右衛門による舞踊「女車引」、そして五世中村富十郎十三回忌追善狂言「新歌舞伎十八番の内『船弁慶』」が並んだ。「船弁慶」では、富十郎が得意とした静御前と平知盛の霊の2役を長男の中村鷹之資が演じる。ラストの花道の引っ込みでは、知盛の霊に扮した鷹之資が約2mの大きな長刀を華麗かつ勇猛に振りかざし、客席から万雷の拍手を浴びた。なお、歌舞伎座場内1階ロビーには、富十郎十三回忌追善の祭壇が飾られている。

第三部は、片岡仁左衛門が“一世一代”で勤める通し狂言「霊験亀山鉾」。本公演で、当たり役である藤田水右衛門と隠亡の八郎兵衛の2役を演じ納める仁左衛門は、それぞれの役の“悪”の魅力を際立たせて演じ、観客を劇世界に引き込んだ。公演は2月25日まで。