「なるべく派手な服を着る」は、MONOの第35回公演として、2008年に初演された作品。久里一家は男ばかり6人兄弟だが、なぜか五男だけが家族から忘れられがちで……。第50回公演となる今回は、本作を劇団員のみで再構築する。
説明会には作・演出を手がける
第50回公演に本作を選んだ理由を問われると、土田は「自分も気に入っている作品で、いつか再演したいと思っていました。この作品は東京と大阪だけでしか上演していなかったので全国で発表したいと思っていましたし、2018年に劇団員が増えてちょうど登場人物の人数と一緒になったので(笑)。だから、特に50回だからということではないかもしれませんが、気に入った作品を、節目のタイミングで、現在のメンバーで作り直したいと思いました」と返答した。
また本作の執筆にあたっては、当時土田が感じていたコンプレックスも関係しているといい、「一時期、演劇の世界では京都の劇作家が注目されたことがありました。マキノノゾミさん、鈴江俊郎さん、松田正隆さん、深津篤史さんたちと“京都派”として仲良く語らうことがありましたが、そういう場でのにぎやかし担当は僕でした。で、あるとき白樺派のメンバーの集合写真を見たんですが、著名な作家の中にまったく知らない人もいたんですね。当時は同じ情熱で、みんな『我こそは』と思って文学に取り組んでいたはずなのに、歴史的に飛ばされて(忘れられて)しまう人がいる。その写真を見て、『それは私だ』と思ったんです。この作品は、そんな自分と向き合ってみよう、と思って書いたところがありましたし、実際この作品以降、あるがままの自分を受け入れるようになったところはあると思います」と話した。
また第50回公演を迎えることへの意気込みを問われると「僕らは『どうなりたい』という目標を特に持たずにやってきました。やりたいことは具体的ではなかったけれど、やりたくないことははっきりしていたんです。例えばお客さんには喜んでほしいけれど、周りの評価をあまり意識しないとか……そういうことですね。でも、そうやって続けてきたことが50回目につながっているのではないかと思うので、これからも“やりたくないことはやらない劇団”でいたいなと。今思っているのは、スタンスを変えずに、ということだけです」と言葉に力を込めた。
公演は2月22日から26日まで兵庫のAI・HALL、3月11日から20日まで東京・吉祥寺シアター、18・19日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース、26日に三重・四日市市文化会館 第2ホール、28日に愛知・おおぶ文化交流の杜 allobu こもれびホールにて行われる。
MONO 第50回公演「なるべく派手な服を着る」
2023年2月22日(水)~26日(日)
兵庫県 AI・HALL
2023年3月3日(金)~12日(日)
東京都 吉祥寺シアター
2023年3月18日(土)・19日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
2023年3月26日(日)
三重県 四日市市文化会館 第2ホール
2023年3月28日(火)
愛知県 おおぶ文化交流の杜 allobu こもれびホール
作・演出:
出演:
MONO @MONOofficial
【掲載情報】
『なるべく派手な服を着る』についてご紹介いただきました。ありがとうございます!! https://t.co/65ZLl4Gz6u