本作は、京都を拠点とする劇団なかゆびによる、大阪のとある家族を描いた新作公演。上演に向けて脚本・演出を手がける神田真直は「今回ついに現代を現代として描く試みができることに、ひそかな喜びを感じています。あらゆる世代の胸ぐらを掴むような作品をお送りしますので、ぜひご来場くださいませ」とコメントした。
神田真直コメント
上演によせて
2020年、某都道府県知事が記者会見で「うそのような本当の話」をした頃。大阪北摂地域に暮らす、松木家の息子・一郎が、自身の結婚相手・百合を紹介するために、実家に帰ってくる……というあまりに普通な話です。近頃、政治的なことについて業界の人と話すのに辟易してきました。そこで、作品によって政治的主張をはっきりと示すことにしました。皆様、お別れです。ありがとうございました。もちろんこれからも、作品を通じて政治的主張を続けたいと思います。ところが、困ったことに劇作家の政治信条と演出家の政治信条が食い違ってしまいました。劇作家は家からあまり出てこないので、演出家の主張が通ってしまうことになりそうです。しかし、演出家は舞台上にいられないので、どうなるのでしょうか。わかりません。1年ぶりの新作公演です。前回は1960年代と古い時代が舞台ではありましたが、今回ついに現代を現代として描く試みができることに、ひそかな喜びを感じています。あらゆる世代の胸ぐらを掴むような作品をお送りしますので、ぜひご来場くださいませ。
劇団なかゆび Nakayubi.-14「文化なき国から―喜劇一幕」
2023年3月10日(金)~12日(日)
京都府 THEATRE E9 KYOTO
脚本・演出:神田真直
出演:
劇団なかゆび @nakayubigeki
【掲載情報】
ステージナタリー様に『文化なき国から—喜劇一幕』の公演情報を掲載していただきました。 https://t.co/9dVH2ckNWM