明日1月7日に初日を迎えるミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」のプレスコールと合同取材会が、昨日5日に東京・明治座で行われた。
ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」は、「モーニング」で連載されていた惣領冬実の同名歴史マンガを元に、荻田浩一の脚本・作詞、小山ゆうなの演出で立ち上げる新作。2020年に上演予定だった本作は、新型コロナウイルスの影響で中止となり、このたび、脚本や歌がブラッシュアップされて披露される。劇中では教皇、皇帝、諸国の王侯貴族たちが派閥争いを繰り広げるルネッサンス期のイタリア半島を舞台に、のちの英雄チェーザレ・ボルジアの物語が展開し、
プレスコールでは、世間知らずのアンジェロ(
取材会には中川、チェーザレの腹心ミゲル・ダ・コレッラ役の
本作がミュージカル初挑戦となる橘は「歌のある現場って良いなと(笑)。歌によって熱気も上がり、皆さんとシンパシーを感じながら作り上げてこられたと思っています。最高の幕開けを飾れるのではと、ワクワクドキドキしています」と心境を語る。別所は「ゼロから試行錯誤して作り上げた、新春イチの“ブラボー!”な作品。さまざまな背景を持った人々がどうやって融和するかを描く、若者たちの群像劇です。権力闘争の“ギラギラ”は私たち兄貴が、青春の“キラキラ”は若者たちが担いますので、ぜひ楽しんでいただければ」と独特の言い回しで記者たちの笑いを誘った。
一部Wキャストで上演される本作では、2020年公演にもキャスティングされていた山崎、風間、近藤、木戸が“スクアドラ ヴェルデ”、新キャストの赤澤、鍵本、本田、健人が“スクアドラ ロッサ”と2チームに分かれて出演する。山崎は「やり直したかったという気持ちがあり、“破壊の創造者”の通り、また新しいものをお届けできることをうれしく思います」、風間は「(今回)出られなくなってしまった人たちの芝居が自分の中に残っていて、それを引き継いで公演に臨めることがうれしいです。僕たち2チームが切磋琢磨する様子が、群像劇のエネルギーになっているはず」と心中を明かす。また、本作が初ミュージカルとなる近藤は「初舞台の初日を迎えるときの気持ちに似ています。これまでミュージカルは好きで観に行っていましたが、『こうやって作られているのか』と知ることができ、楽しいと思える稽古の日々でした」と振り返る。一方で木戸は「(前回公演の中止に)悔しい気持ちと寂しい気持ちがありましたが、それはお客様も一緒。この年月を経て、期待感がどんどん大きくなっていると思いますが、それを超える素晴らしい作品になったので、胸を張ってお届けしたいです」と自信をのぞかせた。
“スクアドラ ロッサ”の赤澤は稽古を振り返り、「今まで皆さんが作り上げたものに必死で追いつこうと、(役の)感情と向き合った日々でした。ミュージカルの出演経験があまりないので、先輩たちの姿から学ぶことがアンジェロと重なったなと感じます」、Leadのメンバー・鍵本は普段は音楽活動をしていることに触れ、「明治座150年の歴史の中で初めてオーケストラピットが誕生し、そのサウンドを浴びながら毎日興奮しております。プロの方々が現場で切磋琢磨しながら作り上げた作品なので、最後まで1人も欠けることなく千秋楽を迎えたい」と意気込む。本田は「どこまで突き詰めても、新しい発見があるんだなということを改めて感じています。演劇やミュージカルが完成するのは、(作品を)お客様と共有できた瞬間。その瞬間が最高のものになるよう、精一杯がんばりたいです」、健人は「Wキャストなので稽古場で見学していたときに、引き込まれるシーンが多くありました。僕もお客様の心をつかめるようにがんばりたい」と述べた。
最後に中川が作品への思いを語った。「チェーザレという人物を演じることに対して、前回は迷いの中で臨んでいた感覚がありましたが、2年以上の時を経た今、描かれていることが2023年の今に重なる部分がとても多いように感じます。ペストが流行した時代のお話で、人々を率いる理想的なリーダーはどのような人物であるかということが描かれます。チェーザレは想像もできなかった運命の中で、青春期の迷いや葛藤を抱えながら生きる。惣領先生の原作の価値を、具現化したいと思われた明治座さんの思いが、よくよく自分の中で腑に落ちた2年間でした。オリジナルミュージカルを立ち上げるプロセスはなかなかのものでしたが、1つの答えがしっかりと出るようにしたいと思っています」と熱意を見せ、取材会は終了した。
公演は明日1月7日から2月5日まで。
ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」
2023年1月7日(土)~2月5日(日)
東京都 明治座
原作:惣領冬実「チェーザレ 破壊の創造者」(講談社「モーニング」連載)
原作監修:原基晶
脚本・作詞:荻田浩一
演出:小山ゆうな
作曲・音楽監督:島健
出演:
※山崎大輝、風間由次郎、近藤頌利、木戸邑弥、山沖勇輝は“スクアドラ ヴェルデ”チーム、赤澤遼太郎、鍵本輝、本田礼生、健人、稲垣成弥は“スクアドラ ロッサ”チームとして、2チームWキャスト制で出演。
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