松田正隆の戯曲「海と日傘」に挑む戸田彬弘「いじらしい世界を創っていくことが楽しみ」

チーズtheaterのプロデュース公演「海と日傘」が、1月25日から29日まで東京・駅前劇場で上演される。

本公演は、チーズtheater主宰の戸田彬弘の演出で、松田正隆の第40回岸田國士戯曲賞受賞作「海と日傘」を立ち上げるもの。劇中では、九州の地方都市に住む1組の夫婦の日常が描かれる。妻は余命3カ月を宣告され……。

出演者には、大浦千佳、田谷野亮、奥田努、吹越ともみ、中田春介、木村理恵、野村啓介、茜屋日海夏が名を連ねた。上演に向け、戸田は「素敵なキャスト達にも恵まれて、これからこの小さくていじらしい世界を創っていくことが楽しみです。演劇とは時間と空間の共有です。是非体感しに、共有しに劇場に来てください。お待ちしています」とコメントした。

戸田彬弘コメント

まずは、この大好きな傑作「海と日傘」の上演が決まったことを嬉しく思います。

松田さんの書く会話には、「日本人らしさ」の魅力が漂っていて主人公達の生活の中にスッと入り込める不思議な魔力があります。

この夫婦の歴史は殆ど語られないのに、何故か理解できてしまう。本音の会話も殆どしないのに、2人のことが痛いほど分かってしまう。

ドラマにおいてこれはなかなか出来ないことで、初めて松田さんの作品を読んだときに、この巧みさに度肝を抜かれたのを覚えています。

僕らの日常もやっぱり本音で語り合うことは殆ど無いし、そのもどかしさの中に日本人の侘び寂びがあるのだと思います。

素敵なキャスト達にも恵まれて、これからこの小さくていじらしい世界を創っていくことが楽しみです。演劇とは時間と空間の共有です。是非体感しに、共有しに劇場に来てください。お待ちしています。