個性あふれる神々がドタバタ騒ぎ、東京二期会のオペレッタ「天国と地獄」開幕

東京二期会オペラ劇場 オペレッタ「天国と地獄」が、昨日11月23日に東京・日生劇場で開幕した。

「天国と地獄」は、ギリシャ神話として親しまれるオルフェとユリディスの悲劇を、ジャック・オッフェンバックが喜劇化した作品。バイオリン教師のオルフェと妻のユリディスの不仲をきっかけに巻き起こる、ギリシャの神々の乱痴気騒ぎが面白おかしく描かれる。本プロダクションは、鵜山仁の演出で2019年に歌唱・セリフ共に日本語で初演された。今回は、原田慶太楼を指揮に迎えての再演となる。

開幕に際し、ユリディス役の湯浅桃子が「ぜひぜひご堪能いただきたいのが、何とも愛らしいセットと衣裳です」と語る一方で、全知全能の神・ジュピター役の杉浦隆大は「見せどころはなんといってもハエに変身してユリディスを誘惑するシーン。ハエで女性が口説けるかって話ですが、孤独な女性にとってハエのうっとうしい羽音はすばらしい音色に聞こえるんでしょうか」とおちゃめにコメント。

また、ユリディス役の冨平安希子は「オッフェンバックの楽しく素晴らしい音楽、鵜山仁先生の演出、そして芸達者なキャストの皆さんによってとても面白い舞台になると確信しています」と自信を見せ、冥界を司る神・プルート役を初演から続投する渡邉公威は「昨今のこのようなご時世だからこそ、思う存分お笑いになってお楽しみ頂けましたら、舞台を創り上げる一人として、これに勝る喜びはございません」と観客へのメッセージを送った。

上演時間は休憩を含む約2時間30分。公演は11月27日まで。

渡邉公威コメント

プルートは、冥界（死後の世界）を司る神で、ゼウス（ジュピター）、ポセイドンに次ぐ権力の持ち主でした。持ち前の威勢で、悪魔や悪霊からも恐れられる存在だったようです。このオペレッタでは、兄ジュピターと美女ユリディスを奪い合うなど、人間らしく憎めない役柄です。2019年のこの公演でもプルート役で出演致しましたが、今回再びキャスティングされました事を光栄に思います。昨今のこのようなご時世だからこそ、思う存分お笑いになってお楽しみ頂けましたら、舞台を創り上げる一人として、これに勝る喜びはございません。出演者一同、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

杉浦隆大コメント

ジュピターは、全知全能、オリンポスに住まう神々のボスです。いっぽうで大変な好色家で、最高の権威・権力、超自然の力を持っていて、美しい女性とやりたい放題したい放題、そして逆らえる者はほとんどいない、というまぁ何とうらやま……けしからん奴といった具合です。見せどころはなんといってもハエに変身してユリディスを誘惑するシーン。ハエで女性が口説けるかって話ですが、孤独な女性にとってハエのうっとうしい羽音はすばらしい音色に聞こえるんでしょうか。

おもしろく楽しい公演をお届けできるように奮闘しております！ 皆様のご来場を心からお待ちしております!!

湯浅桃子コメント

この作品に登場するユリディスは、夫や恋人をポイっと捨てて、次の男性の所へ行ってしまうのに、不思議と悪女ではないところが彼女の魅力だと思います。

ぜひぜひご堪能いただきたいのが、何とも愛らしいセットと衣裳です。「高級な2次元」をコンセプトに作られた衣装、地上と地獄と天国を素敵に彩るセット、全体像でもオペラグラスでもじっくりお楽しみいただけると思います！

冨平安希子コメント

オッフェンバックの楽しく素晴らしい音楽、鵜山仁先生の演出、そして芸達者なキャストの皆さんによってとても面白い舞台になると確信しています。そんな皆さんに助けられながらユリディスを演じられることをとても幸せに思います。オルフェオ、ユリディス夫婦が発端で起こるドタバタコメディをどうぞお楽しみにいらしてください。