「ベンガルの虎」は1973年に初演された
開幕に際し小林は「『ベンガルの虎』に登場するのは、白骨街道に眠る名もなき兵隊たちや故郷に見放されたラシャメンなど、国や社会のために働いたのに切り捨てられ、ひどい目にあう者たち。戯曲が書かれて50年が経つのに、2022年の現在、とても生々しく感じます」と作品への思いを語る。
また流山児★事務所の主宰・
小林七緒コメント
「ベンガルの虎」に登場するのは、白骨街道に眠る名もなき兵隊たちや故郷に見放されたラシャメンなど、国や社会のために働いたのに切り捨てられ、ひどい目にあう者たち。戯曲が書かれて50年が経つのに、2022年の現在、とても生々しく感じます。名前を奪われ存在を否定される女は、他人事なのか、自分なのか。
今日も稽古場では、唐さんの強い言葉と真摯に格闘しております。アドバイザー大久保鷹さんの言葉「50年前の芝居をなぞるんじゃなく、いまの新作を創るんだ」を合言葉に。作っては壊し作っては壊し、出ていないシーンも皆で考え試し立ち上げる。決して他人まかせにしないこの過程も、唐さんの問いかけに対する私たちの答えなのかもしれません。
まもなく出発です。2022年版、私たちの「ベンガルの虎」、共に旅をお楽しみください!
流山児祥コメント
50年前、唐十郎と紅テント一党は《アジア》を目指していたのです。
1972年「二都物語」ソウル公演に続いて1973年「ベンガルの虎」をバングラデシュのダッカとチッタゴンで上演。唐さんは「私共は韓国、バングラデシュと紅いテントを背負って、日本人の深層意識に脈々と流れる《悪夢の結節点》を河原者の肉体に依って逆襲来あるいは演劇化して参りました。それはまぎれもなく、今日の《アジア》で、日本の演劇人である我らに何が出来るかという問いかけであります」と書いています。悪夢の結節点=アジアの戦争を忘れ、経済成長へとひた走っていた日本と日本人に向けて、唐さんは、白骨街道に捨てられた無名の弱者たちの物語として「ベンガルの虎」を書きあげたのです。
小林七緒の緻密で微細な演出のもと、唐さんの戯曲と5年間、3作品と格闘した若い俳優たちは見事に成長しました。主演の山丸莉菜、そして山下直哉、祁答院雄貴、原田理央、橋口佳奈の若手、伊藤俊彦、井村タカオ、中原和宏ら実力派で創り上げた唐十郎名作上演の集大成それが「ベンガルの虎」です。3幕・2時間半。唐ワールドを存分にお楽しみください。
流山児★事務所公演「ベンガルの虎」
2022年11月23日(水・祝)~28日(月)
東京都 ザ・スズナリ
作:
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