「オンディーヌ」主演の中村米吉、ビジュアルの反響を明かす「グループLINEが動いた」

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「オンディーヌ」で主演を務める中村米吉の取材会が、昨日10月28日に東京都内で行われた。

ビジュアルと同じポーズを決め、撮影に応じる中村米吉。

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「オンディーヌ」ビジュアル

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フランスの劇作家ジャン・ジロドゥによる「オンディーヌ」は、永遠の愛を信じて人間界に入った水の精オンディーヌと、遍歴の騎士ハンスの悲恋を描いた作品。今回の上演版では、星田良子が上演台本・演出を担当し、米吉がオンディーヌを演じる。このほか、ハンス役に宇野結也と小澤亮太、水の精(ベルトラン)役に佐藤和哉、水の精ユラ役に白鳥かすが、水の精トン(オーギュスト)役に我善導、水の精セラ(ユージェニー)役に宮川安利、水の精ダヤン役に加納明、水の精の王(奇術師)役に市瀬秀和、水の精(王妃)役に紫吹淳がキャスティングされている。

「オンディーヌの扮装姿が好評なので、今年のハロウィンはこの格好で渋谷を歩きたい」と冗談を飛ばす中村米吉。

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米吉が、歌舞伎以外の舞台に本格的に取り組むのは、今回が初めてのこと。「お話をいただいたのは6月の終わり頃で、ちょうど『風の谷のナウシカ 上の巻 ―白き魔女の戦記―』に向けた稽古をやっていた時期です。11・12月には市川團十郎さんのご襲名という大きなイベントもありますし、1月には、3年ぶりに復活する『新春浅草歌舞伎』もありましたので、引き受けるかどうかはすごく悩みました」と当時の心境を明かす。「父(中村歌六)にオファーのお話を伝えたところ、『それは面白いね』と言ってくれて。父は若い頃に劇団四季におりましたので、浅利慶太先生が愛していた作品でもある『オンディーヌ』について、折に触れて僕に話をしてくれていたんです。そのご縁も感じましたし、また来年3月に『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』を控えているのも引き受けた理由の1つです。『オンディーヌ』での経験を、同じく新たな挑戦となる『ファイナルファンタジー』にも生かしていきたい」と語る。

「姉です」と自身の扮装姿を紹介する中村米吉。

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台本については「原作はフランスの古典作品ですが、現代的にアレンジをするというわけではありません。原作の持つシニカルな魅力を生かしたうえで、現代を生きる私たちが物語に入っていきやすいよう、星田先生が再構成してくださっています」と語る。また自身が演じる役について「オンディーヌは、純粋無垢なゆえに、素直でストレートなものの言い方をしてしまいますが、それが悪意なく聞こえるようにしないと役が成立しない。ただ悪口を言っているような、下品さが出てはいけないんですね。お客様に、オンディーヌが可愛くて健気で、だからこそ悲しい、と感じていただけるように演じられたら」と目標を掲げた。

中村米吉

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また、水の精(王妃)役の紫吹が事務所の先輩にあたることに言及し、「先日、(尾上)右近くんの『ジャージー・ボーイズ』を観に行ったとき、彼に『オンディーヌ』に出ることを伝えたのですが、『常日頃から仲良しの先輩である紫吹さんが座組にいてくれるのは、すごく大きいと思う』と言われました。僕も本当にそうだと思いますし、ご一緒できることをうれしく思っております」とほほ笑む。ハンス役をWキャストで演じる宇野、小澤については「ハンスが違えば、オンディーヌも当然違ってきますので、それぞれのハンスにお目にかかるのが非常に楽しみ」と述べ、さらに「もうじき発表になるのですが、ハンスの婚約者で、オンディーヌの恋敵でもあるベルタ役も決まっておりまして、その方との共演も楽しみです。私は男ですが、その方は女性なので、心して相対さないといけないなと思っております(笑)」とニヤリと笑った。

中村米吉扮するオンディーヌ。

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先日発表されたビジュアルで、米吉はオンディーヌに扮した姿を披露。取材会場に置かれたチラシビジュアルと自分を指差し、「本人ですよ!(笑)」とお茶目な表情を浮かべた米吉は、周囲の反応を「同年代の歌舞伎俳優で構成されたグループLINEがあるんですけど、ずっと動いていなくて。そこに、突然(中村)隼人くんがこの写真と共に『この髪型いいね!』というメッセージを送ってくれて(笑)。それを皮切りに、(坂東)巳之助兄さんたちも『うん、綺麗だと思う』とコメントしてくれて、久しぶりにそのLINEが動いたのが面白かったですね。(中村)梅枝のお兄さんからは『『ファイナルファンタジー』の写真をもう撮ったのかと思った』と言われました(笑)」と明かす。

米吉は、来年3月8日で30歳の誕生日を迎える。二十代を振り返り、「僕がこの10年間、指針にしてきたのは、(坂東)玉三郎のおじさまの『30になるまでに、女方の基本を身に付けないといけないよ』というお言葉です。三十代では、自分が女方としてどれだけ経験を積んできたかが問われてくるかと思うので、だからこそ二十代最後に『オンディーヌ』という、歌舞伎ではない作品に挑戦することは、自分の人生にとって大きなポイントになるかと。僕が今できるすべてを注ぎ込んで、オンディーヌという役を務めたい」と意気込みを述べた。

公演は12月23日から25日まで愛知・ウインクあいち(愛知県産業労働センター) 大ホール、来年1月6日から11日まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストで行われる。チケットの一般販売は11月7日10:00にスタート。

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「オンディーヌ」

2022年12月23日(金)~25日(日)
愛知県 ウインクあいち(愛知県産業労働センター) 大ホール

2023年1月6日(金)~11日(水)
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト

原作:ジャン・ジロドゥ
上演台本・演出:星田良子

キャスト

オンディーヌ:中村米吉
ハンス:宇野結也、小澤亮太

水の精サラ(ベルトラン):佐藤和哉(篠笛)
水の精ユラ:白鳥かすが
水の精トン(オーギュスト):我善導
水の精セラ(ユージェニー):宮川安利
水の精ダヤン:加納明

水の精の王(奇術師):市瀬秀和
水の精(王妃):紫吹淳

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南天(出浦党 アンナチュラルなパセリ) @nantengoh

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