「松竹特別巡業」が、11月9日から23日まで全国各地で行われる。これに先駆け、
本公演では「中村獅童の HOW TO かぶき」「絵本『あらしのよるに』一人語り」という2つのプログラムが展開する。歌舞伎の約束事や表現方法を解説する「中村獅童の HOW TO かぶき」では、中村蝶紫が舞台上で実際に化粧をし、衣裳やかつらを着ける様子を披露。獅童はこれについて「歌舞伎のお化粧に興味のあるお客様は多いんです。今回は歌舞伎のお姫様、赤姫ができあがるまでを観てもらいたいですね。男性が女性を演じるうえでの基本的な身体の使い方や、動きの解説などもできれば」とコメントする。
「絵本『あらしのよるに』一人語り」では、獅童がきむらゆういちによる原作絵本を1人で朗読する。獅童は「原作の絵をスクリーンに映し、その情景に合わせて照明を作りたい。歌舞伎では雨の音を大太鼓で表現しますから、そういった古典的な効果音も付けられたら」と構想を明かす。
獅童はこれまでにも「てれび絵本 あらしのよるに」やアニメ映画「
また獅童は現在、京都・南座で「超歌舞伎2022 Powered by NTT」に出演中。獅童は「超歌舞伎2022」で高校生向けの貸し切り公演を行ったことに触れて「今の高校1年生くらいの子たちは、コロナ禍の影響で学校行事を体験できていない。集団で楽しむエンタテインメントを、『超歌舞伎』で初めて経験した子も多かったのかも。『楽しかった』という感想をたくさんいただいた」と喜びをのぞかせる。
さらに獅童は「僕らは(歌舞伎の)10年後、20年後を思い描く必要がある。だからこそ今、子供たちに歩み寄っていきたい」と思いを語り、「古典歌舞伎は難しいものも多い。だから『超歌舞伎』や今回の巡業のように、子供や若者のための“歌舞伎の入り口”を作ることが中村獅童の使命なのかなと。これは人生をかけて続けていきたい」と言葉に力を込めた。
取材会では、公演終了後に取材に臨んだ獅童が「今日は何食べようかなあ……」と呟いて記者たちを和ませる場面も。9月14日に50歳の誕生日を迎えたことについて、記者から祝福の言葉をかけられた獅童は「あんまり(年齢を)言わないでよ!」と笑いつつ、「“人生の折り返し”という言い方があるけど、僕はずっとまっしぐらにゴールに向かっている感覚。50歳は折り返し地点というより、新たなスタートです。人生で多くを経験することで人間として成長できるし、経験の1つひとつが俳優の“味”になるだろうなと。中村獅童ならではの歌舞伎を今後もお見せできるよう、精進したいです」と締めくくった。
令和4年度「松竹特別巡業」
2022年11月9日(水)
神奈川県 桐蔭学園シンフォニーホール
2022年11月10日(木)
兵庫県 あましん アルカイックホール
2022年11月12日(土)
香川県 丸亀市綾歌総合文化会館アイレックス
2022年11月13日(日)
山口県 宇部市渡辺翁記念会館
2022年11月17日(木)
岡山県 岡山市立市民文化ホール
2022年11月19日(土)
愛知県 新城文化会館
2022年11月20日(日)
福岡県 春日市ふれあい文化センター
2022年11月22日(火)
滋賀県 栗東芸術文化会館SAKIRA(さきら)
2022年11月23日(水・祝)
福井県 敦賀市民文化センター
一、中村獅童の HOW TO かぶき
出演:
二、絵本「あらしのよるに」一人語り
原作:きむらゆういち「あらしのよるに」(講談社)
朗読:中村獅童
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ひより @sthiyori
超歌舞伎はぶっ飛んでるけども若い子にはいきなり古典より馴染みやすいだろうし、歌舞伎の未来を考えて「入り口」を作るって素敵だ👏
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