舞台手話通訳付き公演「楽屋─流れ去るものはやがてなつかしき─」の通し稽古が、本日9月7日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場 PLAT アートスペースで行われた。
これは、舞台手話通訳付きで
舞台はチェーホフの「かもめ」が上演されている劇場の楽屋。ニーナ役を演じる女優Cが使用しているその楽屋で、幽霊の女優Aと女優Bが化粧をしている。2人は生前に主要な役を演じられなかったことを悔やみながら、女優Cが不在の間、シェイクスピアの「マクベス」や三好十郎の「斬られの仙太」といった作品のワンシーンを生き生きと演じていく。そこに、枕を抱えた女優Dが現れる。女優Cのプロンプターを務めていた彼女は、女優Cに「役を返してほしい」と訴えるが……。
舞台上には8つの鏡台と、中央に全身鏡が置かれている。しかしどれも鏡の部分がくり抜かれており、シーンによっては鏡のようにも、額縁のようにも見える。本作では舞台手話通訳者も、楽屋に居着いた女優の幽霊の1人として、鏡台の前に座る。加藤は豊かな表現力で、水野は俳優の感情に寄り添う演技で、登場人物のセリフや心情を手話で表した。
ののは戦前を生きた女優Aを包容力のある人物として立ち上げ、大浦は首元に包帯が巻かれた女優Bを愛嬌たっぷりに演じる。2人は時に罵倒し合い、時に慰め合う女優AとBの関係性をコミカルに表現。息ぴったりの掛け合いからは、女優AとBが共に過ごした時間の長さが感じられた。
一方服部は、女優Cのプライドの高さを堂々とした佇まいで表す。役への執着を語る場面では、鬼気迫る演技で場を圧倒した。小野里は自信なさげな雰囲気から一転、「役を返してください」と女優Cに激しく詰め寄る姿で、女優Dの持つ狂気を描き出した。公演は9月10・11日に穂の国とよはし芸術劇場 PLAT アートスペースにて。
ステージナタリーでは、舞台手話通訳付き公演「楽屋─流れ去るものはやがてなつかしき─」の特集を展開中。本特集では、樋口、加藤、高田、水野が“舞台手話通訳”の魅力、そして本公演に向けた思いを語っている。関連する特集・インタビュー
舞台手話通訳付き公演「楽屋─流れ去るものはやがてなつかしき─」
2022年9月10日(土)・11日(日)
愛知県 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT アートスペース
作:
演出:
手話監修:
舞台手話通訳:
出演:ののあざみ、
※初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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穂の国とよはし芸術劇場 PLAT @Plat_Toyohashi
当日券・舞台手話通訳付公演『楽屋―流れ去るものはやがてなつかしき―』当日10:00~プラットチケットセンター窓口、11:00~プラットチケットセンター電話予約受付有。※お支払いは現金のみ。公演は9月10日 (土)14:30開演、11日 (日)14:30開演。https://t.co/vUeYwHApxr #豊橋 #手話 #通訳 #愛知