「新選組」中村歌之助&中村福之助が“役にぴったり”なエピソード披露「家にいるときと一緒」

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「八月納涼歌舞伎」第1部「新選組」に出演する中村歌之助中村福之助の取材会が、本日7月19日に東京都内で行われた。

左から中村福之助、中村歌之助。

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「八月納涼歌舞伎」第1部「新選組」ビジュアル

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中村歌之助

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「新選組」は、手塚治虫の同名マンガを原作とした歌舞伎作品。本作で、歌之助は主人公・深草丘十郎、福之助は深草の親友・鎌切大作を勤める。歌之助は「大学に入り、ようやくこれから歌舞伎に専念できると思っていた矢先のコロナ禍で、この2年間はお役をやるだけで精一杯な部分が多い期間でもありました。20歳という年齢で歌舞伎座での主演を務められることはうれしいですし、しっかりやらなければならないなと責任も感じています」と覚悟を述べる。福之助は、3年ぶりの開催となる「八月納涼歌舞伎」に「(『八月納涼歌舞伎』は、)父(中村芝翫)や兄(橋之助)にとっても思い入れのある公演。そこに出演できることがまずとてもうれしい」と笑顔で話し、歌之助の主演については「親友役として、大事なお役で共演できることをうれしく思っております。彼はまだ舞台経験が少ないので、僕の経験も共有しながらやっていければ」と兄としての顔を見せた。

中村福之助

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左から中村福之助、中村歌之助。

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歌之助は、「新選組」上演のきっかけが中村勘九郎からの提案であることを明かしつつ「勘九郎の兄は『本当は自分が若いときにやりたかった作品だけど、やるタイミングがなかった。ぜひ若い人たちにやってもらいたい』と、僕たち兄弟(橋之助、福之助、歌之助)に話をしてくれました。そのときは、“いつかできたら”と思っていたのですが、去年の12月に勘九郎の兄から改めて『やらない?』と。さらに深草丘十郎と鎌切大作のキャラクターは、僕と兄の福之助にぴったりなのではとご提案いただきました」と話す。

記者から、それぞれが演じる役と似ているところを聞かれると、歌之助は「深草も鎌切もそれぞれ燃える闘志や信念を持っていますが、深草は内気で気が少し弱く、鎌切は明るい性格。僕も兄弟といると口数が少ない方で、兄はすごく明るい性格。勘九郎の兄は、そういった性格も見てキャスティングしてくれたのでは」とコメント。福之助もそれにうなずき「マンガ版でも歌舞伎版の台本でも、深草と鎌切が一緒にいると、主に鎌切がしゃべっていることが多い。それは僕たちが家にいるときと一緒で、僕がたくさん話しても歌之助からは『そうだね』しか返ってこない(笑)。勘九郎の兄も『橋之助と福之助でもないし、橋之助と歌之助でもない。これは福之助と歌之助だと思う』とおっしゃっていて。橋之助は『なんでですか!?』って言ってましたが(笑)。勘九郎の兄さんの意図がわかりました」と微笑む。

左から中村福之助、中村歌之助。

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なお、手塚治虫作品の歌舞伎化は今回が初めての試み。歌之助は「小さい頃から、手塚治虫先生の描く世界観がすごく好きで。手塚治虫先生の作品の展開や、作中での時間の流れに歌舞伎的な部分があるなと感じていました。自分で歌舞伎の新作案を考えることがあるのですが、手塚治虫先生の作品もいつか歌舞伎化したいと勝手に思っていて。なので、初主演作が手塚治虫先生の作品ということに、ご縁を感じます」と語る。福之助は、原作マンガを読んだ感想を「勘九郎の兄に勧められて、歌舞伎化する前提で読んだので先入観はバリバリに入っているのですが(笑)、歌舞伎にしたら面白いんじゃないかなと。話の長さが歌舞伎に丁度良いですし、歌舞伎だからこそ立てられる部分もあると思いました」と述べた。

出演者には、歌之助、福之助、そして近藤勇役の勘九郎のほか、土方歳三役の中村七之助、仏南無之介役の橋之助、沖田総司役の中村虎之介、娘八重役の中村鶴松、庄内半蔵役の片岡亀蔵、芹沢鴨役の坂東彌十郎、坂本龍馬役の中村扇雀が名を連ねている。座組を「ファミリー感が強いメンバー」と表現した歌之助は「今の時代だからこそ、新作をみんなで作り上げる意味があると思っています」と言葉に力を込める。そして「深草丘十郎という役を通して、手塚治虫先生が『新選組』に込めた平和への思いや、“正しい行いとは何なのか”という問いに向かっていきたい」と意気込みを述べた。「八月納涼歌舞伎」は8月5日から30日まで、東京・歌舞伎座にて上演される。

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「八月納涼歌舞伎」

2022年8月5日(金)~30日(火)
東京都 歌舞伎座

第1部

一、「新選組」

原作:手塚治虫

出演
深草丘十郎:中村歌之助
鎌切大作:中村福之助
近藤勇:中村勘九郎
土方歳三:中村七之助
仏南無之介:中村橋之助
沖田総司:中村虎之介
娘八重:中村鶴松
庄内半蔵:片岡亀蔵
芹沢鴨:坂東彌十郎
坂本龍馬:中村扇雀

※手塚治虫の「塚」は旧字が正式表記。

二、「闇梅百物語」

作:三世河竹新七

出演
骸骨 / 読売:中村勘九郎
傘一本足:中村種之助
河童:中村虎之介
小骸骨 / 読売:中村勘太郎
小骸骨 / 読売:中村長三郎
籬姫:中村鶴松
新造:片岡千之助
狸:中村橋之助
小姓白梅 / 雪女郎:中村七之助

第2部

一、「安政奇聞佃夜嵐 佃島寄場島抜けより甲州金鉱洞穴まで」

原作:古河新水
脚色:巖谷槇一

出演
青木貞次郎:松本幸四郎
神谷玄蔵:中村勘九郎
おさよ:中村米吉
木鼠清次:中村隼人
上州屋倅半次郎:中村玉太郎
三好野亀次郎:市川猿弥
元締宇野与兵衛:澤村由次郎
飯屋女房お米:市村萬次郎
おさよの父義兵衛:坂東彌十郎

二、「澤瀉十種の内 浮世風呂」

作:木村富子

出演
三助政吉:市川猿之助
なめくじ:市川團子

※澤瀉屋の「瀉」のつくりは、わかんむりが正式表記。

第3部

「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚(やじきたリターンズ)」

原作:十返舎一九
構成:杉原邦生
脚本:戸部和久
脚本・演出:市川猿之助

出演
弥次郎兵衛:松本幸四郎
総長シー子:坂東新悟
子分ジャック:大谷廣太郎
芹沢綾人:中村隼人
旗持ちトラ:市川男寅
親衛隊長タカミ:中村鷹之資
旗持ちオタマ:中村玉太郎
伊月梵太郎 / 娘オリビア:市川染五郎
五代政之助 / 娘お夏:市川團子
下剃虎奴:市川青虎
家族商店店長寿知喜:市川寿猿
特攻隊長ムネ:澤村宗之助
海賊王ジョニー・テープ:松本錦吾
緑婆奈々夫人:市川笑三郎
天照大神:市川笑也
父次右衛門:市川猿弥
釜掛之丞:片岡亀蔵
ザブエル:市川門之助
副支配人つる紫:市川高麗蔵
喜多八:市川猿之助

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