TBSホールディングス(以下TBS)と
記者会見にはKバレエの
佐々木は「これからは公演だけでなく、スタジオ事業やアジア進出にも資本として参加させていただく。グループを上げて手伝わせていただくことになるかと思います。楽しみです」と語り、「海外に出ていくということになれば何よりの先輩が熊川さんです。ひたすらくっついていきますので!」と意気込んだ。
一方、熊川は「今回、増資による資本提携を受けたことで、自分のやりたいことがスピードアップできる機会になります。アジアへの進出も含めて、各局のネットワークをフルに生かして、日本全国でバレエ教育の柱をしっかりと建てていきたい」と言う。また自身が50歳になったことに触れ「人間形成をするには今の子供たち、偉そうなことを言いますが今の人間をどう教育していくか。個人それぞれの人間性を大きくエクスパンドして(広げて)、素敵な未来に向けてKバレエも一役を担えればと思います」とあいさつした。
記者からアジア進出について聞かれた熊川は、ローザンヌ国際バレエコンクールを例に挙げ、アジア各国が勢いをつけてきていることを説明。その状況を自身が1990年代にイギリスから日本に戻って来たときのことと重ね、「(日本のことを)ケーススタディとしてアジアを開拓できたら」と期待を述べる。さらに、「作品の貯金があるので、Kバレエの引越し公演という理想もあるのかもしれないけど、それぞれの国にそれぞれのバレエ団と作品があるので、『なぜ?』と言われてしまう難しさを過去に経験したことがあります」とコメント。そのため、まずは現地のダンサーを起用した公演の実施、そこからスクールの設立などを目標に掲げる。アジア進出する国の順番などは決まっていないが、「けっこう僕、アジアで人気あるんで(笑)」と自信をのぞかせ、記者たちの笑いを誘った。また、バレエ教育の普及として、地域に密着したコンパクトな新ブランドの1号スタジオを来年春に東京都港区にオープンすることを明かした。
最後に熊川は「『白鳥の湖』が20歳くらいになりました。『白鳥の湖』はこれから先、必ず上演し続けていくもの。我々の代が変わってもその形式が変わることはない。しかし、ここでTBSと一歩踏み込んだ関係性になることによって、作品が守られるという、僕にとっての最高のメリットがあった」と締結に至った大きな理由を語った。「(TBSとは)契約結婚みたいな形をずっと続けさせていただいていて。不安定な状況よりもお互いが手と手を取って、作品を育て、次世代のためにバトンを渡していくというのは、25年経てば阿吽の呼吸で形作られました」とTBSへの信頼を示しながら、なごやかに会見は終了した。
Noriyuki @Noriyuki0320
【会見レポート】TBSとK-BALLETが資本業務提携、熊川哲也「やりたいことがスピードアップできる」と喜び https://t.co/988EuRTAkU