映像演劇「ニューイリュージョン」が8月21日から28日まで、東京・王子小劇場にて上演される。
これは
上演に向けて作・演出を手がける
岡田利規コメント
演劇は、上演空間に実在していないものを想像のレベルにおいて存在せしめることの可能な形式です。すなわち演劇では、イリュージョンを出現させることができます。その演劇におけるイリュージョンは、ときにそこに実在すると言ってしまって差し支えないほどに確かなものとなり得ます。それがその上演に立ち会う人たちが共同で体験するイリュージョンだからです。わたしたちチェルフィッチュは近年〈映像演劇〉という特殊な形式の演劇に取り組んでいます。〈映像演劇〉では、俳優の演技を撮影した映像が等身大サイズで投影される空間が上演空間になります。その上演空間に、投影された映像を通してイリュージョンが出現するのです。 映像に映り込んでいるものも、それが投影される上演空間の中に実在しているわけではないという意味ではイリュージョンです。けれども〈映像演劇〉におけるイリュージョンとはそれではありません。映像の中の俳優の演技によって生み出される演劇的イリュージョン──つまりイリュージョンが生み出すイリュージョン──が、〈映像演劇〉によって出現するイリュージョンです。 わたしはこれまでの〈映像演劇〉の実践を通して、この世界の何が現実であり何がイリュージョンであるのかを自分が正しく識別できている自信がまったくない、と自信を持って言うことができるようになりました。この、現時点での〈映像演劇〉の最新作「ニュー・イリュージョン」を体験したら、あなたにもそうなってもらえるかもしれません。
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