京都・南座で、7月に「坂東玉三郎 特別舞踊公演」、8月に「坂東玉三郎 特別公演 片岡愛之助 出演」が上演される。これに先駆け、
7月公演は玉三郎の単独公演として、口上のほか、「高尾」「藤娘」が披露され、玉三郎のほか愛之助らも出演する8月公演では「東海道四谷怪談」「元禄花見踊」が上演される。「東海道四谷怪談」では、玉三郎がお岩、愛之助が民谷伊右衛門を勤める。
まず玉三郎は、愛之助と共演することに「8月は、愛之助さんのお父様である(片岡)秀太郎さんや、(片岡)仁左衛門さん、(片岡)我當さんと、『花形歌舞伎』でずっとご一緒させていただいていました。なので世代を超え、8月にこういう形で愛之助さんとご一緒できることが感慨深い」と微笑む。愛之助は2019年に南座で、玉三郎監修の「東海道四谷怪談」に出演し、伊右衛門を初役で勤めた。今回、玉三郎の相手役を務めることに「昔から公私ともにかわいがっていただきました。身の引き締まる思いです」と言葉に力を込める。
玉三郎は昨年9月に歌舞伎座で、約38年ぶりに「東海道四谷怪談」に出演した。「38年前は、お岩さまを演じることが精神的にも苦しかった」と振り返り、「年を重ねたことで、あれこれと考えずに演じられるようになりました。というのも、お岩さまが醜くなっていくことと、人間が年をとって衰えていくという部分が重なり、(役が)実感として見えてくるようになったんです」と述べる。
愛之助は、自身の役について「伊右衛門は、物語としては“悪い人”。ですが演じる中で、伊右衛門を1人の人間として、“こういう生き方をする人もいたんだな”と理解できるようになりました。またお兄さん(玉三郎)からは、心理描写やセリフを、できる限り写実的に演じることが大切だと教わりました」と語る。玉三郎は「なぜ自然に演じないといけないかと言うと、“毒を与える悪い夫と、毒を与えられた悲しい女”と誇張して描写してしまうと、つまらない話になりますし、わざとらしい芝居になってしまうから。2人共、まさかこんな結末を迎えるとは思わずに存在していて、すれ違っていくからこそ“怪談”なんですね」と作品の根幹に触れた。
玉三郎は、2019年に愛之助が演じた伊右衛門を「とても良かった。愛之助さんはいろんなお役をやられているけど、伊右衛門をこんなに自然に演じられるとは。30年ほど前の仁左衛門さんとよく似ている雰囲気がありますし、当たり役だと思う」と絶賛。玉三郎の言葉に照れ笑いを浮かべる愛之助は「(2019年上演版に)お兄さんが監修に来られた際、お洋服でいらっしゃったのですが、ご指導のとき、『こう座るんだよ』とおっしゃりながらふっと振り返られただけで、そこにお岩さんがいたんですね。やはり芸というものは、着ているものとか格好とかそういうものではなく、俳優から出てくるものなんだなということを目の当たりにして、感動しました」と稽古場でのエピソードを明かす。これに玉三郎が「じゃあ今回、私服で出演しようかな(笑)」とちゃめっ気たっぷりにコメントすると、会場は笑いで包まれた。
「坂東玉三郎 特別舞踊公演」は7月23日から27日まで、「坂東玉三郎 特別公演 片岡愛之助 出演」は8月2日から28日まで。「坂東玉三郎 特別舞踊公演」のチケットは現在販売中で、「坂東玉三郎 特別公演 片岡愛之助 出演」のチケットは7月9日より販売される。
「坂東玉三郎 特別舞踊公演」
2022年7月23日(土)~27日(水)
京都府 南座
出演:
「坂東玉三郎 特別公演 片岡愛之助 出演」
2022年8月2日(火)~28日(日)
京都府 南座
一、「『東海道四谷怪談』四谷町伊右衛門浪宅の場 伊藤喜兵衛内の場 元の浪宅の場」
作:四世鶴屋南北
出演
お岩:坂東玉三郎
小仏小平:喜多村緑郎
後家お弓:河合雪之丞
お梅:上村吉太朗
乳母おまき:中村歌女之丞
按摩宅悦:片岡松之助
民谷伊右衛門:
二、「元禄花見踊」
出演
元禄の女:坂東玉三郎
元禄の男:喜多村緑郎
元禄の女:河合雪之丞
元禄の女:上村吉弥
元禄の男:片岡愛之助
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九条㉑(児玉の嫁) @417Uru
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