息子は自分がクローンだと知り…戸次重幸×益岡徹「A・NUMBER」演出は上村聡史

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戸次重幸益岡徹が出演する二人芝居「A・NUMBER」が、10月に東京、愛知、宮城、北海道、兵庫で上演される。

左から戸次重幸、益岡徹。

左から戸次重幸、益岡徹。

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イギリスの劇作家キャリル・チャーチルが作劇を手がけた「A・NUMBER」は、2002年に初演された作品。今回は上村聡史が演出を手がける。舞台はクローン技術が進み、人間のクローンを作ることも技術的には可能だが、法的にはグレーゾーンとされている近未来。息子バーナード(戸次)は、自分が実はクローンだと知る。父ソルター(益岡)は「亡くなった実の息子を取り戻したくて、医療機関に息子のクローンを作り出してもらった」と言うが、実はその医療機関では、依頼者に黙って複数のクローンを作っており……。

演出の上村は「科学技術の倫理が際立つテーマもさることながら、戸次重幸さん演じる声・顔・姿が全く同じの三人の男と、益岡徹さん演じる真実を握る男との、クライムサスペンスの様相を帯びながら展開する会話の応酬や、演劇的な仕掛けも、本作の見どころになるでしょう」と語り、「多様的な広がりを見せる今とこれからにおいて、“アイデンティティ”を巡る悲喜交々をご堪能いただければと思います」と呼びかける。

また戸次は「二人芝居の登場人物が二人とは限らない、ということは今の段階で言ってもいいと思うのですが、それぞれが全く異なるキャラクターなので、とても面白い作品になると思います」「私の大好きなSFの要素も入っていますし、難しいことを考えずに、お気軽に劇場に来て頂けたら幸いです」とメッセージを送り、益岡は「文明の中で進化した生命に関する技術や研究は、人の幸せのために重ねてきたものだと思うんですが、戦争を通して発展したものもあり、時に開けないほうが良かったような箱まで開けた部分があります」「彼らをどう演じることで作家が作品で伝えたかったことを伝えられるのか、演出の上村さんと考えていきたいと思います」と思いを述べた。

公演は10月7日から16日まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、21日に愛知・青少年文化センター(アートピア)、23日に宮城・電力ホール、26日に北海道・共済ホール、29日に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて。東京公演チケットの一般販売は、8月6日10:00にスタートする。

上村聡史コメント

「羊のドリー」が話題になったのは四半世紀ほど前、イギリスを代表する劇作家キャリル・チャーチルの本作も2002年に発表されて以降、多くの国で上演されてきました。科学技術の倫理が際立つテーマもさることながら、戸次重幸さん演じる声・顔・姿が全く同じの三人の男と、益岡徹さん演じる真実を握る男との、クライムサスペンスの様相を帯びながら展開する会話の応酬や、演劇的な仕掛けも、本作の見どころになるでしょう。

そして、今再び上演する面白さは、「何によって、誰によって、何者であるかを定義されるのか」という視点に尽きます。果てして今この時代に、性や人種、究極的には人間であることを、我々は定義していくことが可能なのか……。多様的な広がりを見せる今とこれからにおいて、“アイデンティティ”を巡る悲喜交々をご堪能いただければと思います。

戸次重幸コメント

尊敬している益岡徹さんとの二人芝居というお話を頂き、ぜひやりたいと即答いたしました。演出の上村さんとは初めてお会いするので、期待や不安もありますが、私は褒められて伸びるタイプなので、お手柔らかにお願いしたいです(笑)。二人芝居の登場人物が二人とは限らない、ということは今の段階で言ってもいいと思うのですが、それぞれが全く異なるキャラクターなので、とても面白い作品になると思います。さらに膨大なセリフ量も見どころの一つになりますので、ぜひご期待ください。上演時間は70分ほどなので、気づいたら終わっていた、というようなことになるかもしれません。私の大好きなSFの要素も入っていますし、難しいことを考えずに、お気軽に劇場に来て頂けたら幸いです。

益岡徹コメント

イギリスでの上演時間が約50分で出演者が二人と聞いてコンパクトなイメージを持ちましたが、読んでみるとなかなか難しい芝居だなというのが第一印象でした。文明の中で進化した生命に関する技術や研究は、人の幸せのために重ねてきたものだと思うんですが、戦争を通して発展したものもあり、時に開けないほうが良かったような箱まで開けた部分があります。この作品で描かれる人の命の問題も、「そんなことをしてよかったんだろうか」ということを感じる内容になっているのではないかと思います。ただ、父も息子も科学者ではないし、論理的に優れているわけでもなく、我々と同じような人物なんです。彼らをどう演じることで作家が作品で伝えたかったことを伝えられるのか、演出の上村さんと考えていきたいと思います。

この記事の画像(全1件)

「A・NUMBER」

2022年10月7日(金)~16日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

2022年10月21日(金)
愛知県 青少年文化センター(アートピア)

2022年10月23日(日)
宮城県 電力ホール

2022年10月26日(水)
北海道 共済ホール

2022年10月29日(土)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:キャリル・チャーチル
翻訳:浦辺千鶴
演出:上村聡史
出演:戸次重幸益岡徹

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読者の反応

kiki @kiki_002

え、これ面白そうだな。上村さんの演出だし。 https://t.co/lc1lfX56U3

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