流山児★事務所が宮本研の戯曲2本を上演、詩森ろば・西沢栄治が参加

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流山児★事務所「夢・桃中軒牛右衛門の」が8月10日から17日、「美しきものの伝説」が10月5日から12日まで東京・小劇場B1にて上演される。

後列左から朝比奈尚行、シライケイタ、流山児祥、前列左から山崎薫、伊藤弘子。(撮影:横田敦史)

後列左から朝比奈尚行、シライケイタ、流山児祥、前列左から山崎薫、伊藤弘子。(撮影:横田敦史)

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これは、流山児★事務所が宮本研の戯曲2本を連続上演する企画。「夢・桃中軒牛右衛門の」では、詩森ろばが脚色、流山児祥が演出、「美しきものの伝説」では西沢栄治が演出を担当する。上演に向け、詩森は「左翼的思想は持ちつつも、そのロマンチシズムに屈しなかった稀代の劇作家宮本研さんの真骨頂を、現代の物語として再生したいと臨みました。どうぞ劇場で、批判精神を山ほど持ってご覧ください。すべて受けて立ちます」と語る。

西沢は「登場人物たちは今でこそ歴史上の偉人だが、劇中では理想と現実のギャップに悩むただの若者だ。憤る気持ちやダメさ具合は現代の私たちと何ら変わらない。そのどうしようもない青春の熱量で、アナーキーな芝居をつくってみようと思う。それこそが流山児事務所で上演する意味ってもんだろう。のるかそるか。御期待ください」とコメント。また流山児は「『戦争の時代』にあらためて、『自由と民権』を真っ向からボクタチは演劇の力を信じて問いたいと想っています。ふらりと、下北沢までおいで下さい!」と述べた。

詩森ろばコメント

尊敬する宮本研さんの脚色をいきなり頼まれました。今よりずっと世界の民主化運動や革命、そして戦争などが近い時代の作品で、その知識と理解するためのインテリジェンスがあること前提の、比喩や暗喩に満ちた作品たちの上演は、なかなか難しいと前々から思っていました。

とは言え、わたしのような三流劇作家に筆を入れろなどといくらなんでも大胆すぎるというものです。さすが流山児祥。

でもおこがましさに耐えて引き受けたのは、そんな理由で理解されないのは悔しすぎる。

今、ほんとうに上演すべき作品だと思ったからです。そして自分は、宮本研さんが生涯かけて言わんとしたことがわかる女だという少々のウヌボレがあったからです。

左翼的思想は持ちつつも、そのロマンチシズムに屈しなかった稀代の劇作家宮本研さんの真骨頂を、現代の物語として再生したいと臨みました。

どうぞ劇場で、批判精神を山ほど持ってご覧ください。

すべて受けて立ちます。

西沢栄治コメント

この戯曲はあまりにも「名作」になりすぎていないだろうか。

そりゃたしかに面白いし台詞もカッコイイ。憧れの作品だ。

けれどそんな風に有り難がっていてもしょうがない。

登場人物たちは今でこそ歴史上の偉人だが、劇中では理想と現実のギャップに悩むただの若者だ。憤る気持ちやダメさ具合は現代の私たちと何ら変わらない。

そのどうしようもない青春の熱量で、アナーキーな芝居をつくってみようと思う。

それこそが流山児事務所で上演する意味ってもんだろう。

のるかそるか。御期待ください。

流山児祥コメント

三池炭鉱の町:荒尾から僕は1962年に上京した。中高生時代、僕は「新劇少年」だった。3歳年上の兄の影響で数多くの新劇作品を観た。そこで宮本研作品と出会った。研さんが熊本出身の劇作家というのも影響していたのかもしれない。兄が出演した「メカニズム作戦」は、衝撃的であった。

「メカニズム作戦」は、組合運動の再生(世界情報革命を夢見る)を試みるファンキーなストライキを描く青春群像劇である。ジャズ、ロック、ビートルズ世代の僕は、この斬新な音楽劇にハマった。「木口小平氏は犬死」、「ザ・パイロット」、「明治の柩」、大牟田市での研さんの敗戦時の体験を描いた「反応工程」と立て続けに観たり読んだりした。だが、所謂、新劇風演出・演技の「嘘くささ」が鼻につきオサラバした。そして、19歳の夏、唐十郎の状況劇場紅テントと出会った僕のアングラ演劇彷徨は現在まで続くことになる。

そんな、僕は半世紀を経て、研さんに《出会い》直した。2017年「メカニズム作戦」上演。この1962年(状況劇場結成)、若者たちの70年安保闘争に向けた社会変革のステップボード的作品を朝比奈尚行:音楽で上演。運動不在の2017年、若者たちの「渾沌とした自由への渇望」は大ヒット。研さん戯曲の「勁さ」を実感した。

辛亥革命110年、宮崎滔天没後100年、関東大震災99年、大逆事件死刑執行111年の2022年、研さんの「百年前のアナーキーな若者たちの冒険劇」を連続上演する。故郷の革命家:宮崎滔天と中国の革命家の交流を描く「夢・桃中軒牛右衛門の」、大正の社会運動家と演劇人との熱い交流を描く「美しきものの伝説」である。「夢・桃中軒牛右衛門の」は、宮本研リスペクトに裏打ちされた大胆不敵な詩森ろば:脚色の問題作。『美しきものの伝説』は、イマ、注目の西沢栄治の演出。《命、革める》若者たちの「自由と友情」の歴史劇★連続上演です。

「戦争の時代」にあらためて、「自由と民権」を真っ向からボクタチは演劇の力を信じて問いたいと想っています。ふらりと、下北沢までおいで下さい!

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流山児★事務所 宮本研連続上演 第1弾「夢・桃中軒牛右衛門の」

2022年8月10日(水)~17日(水)
東京都 小劇場B1

作:宮本研
脚色:詩森ろば
演出:流山児祥
音楽:朝比奈尚行
出演:シライケイタ、山崎薫、伊藤弘子さとうこうじ、眞藤ヒロシ、三上陽永、井村タカオ、石本径代杉木隆幸、流山児祥 ほか

※山崎薫の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

流山児★事務所 宮本研連続上演 第2弾「美しきものの伝説」

2022年10月5日(水)~12日(水)
東京都 小劇場B1

作:宮本研
演出:西沢栄治
芸術監督:流山児祥
音楽:諏訪創
出演:田島亮申大樹、山丸莉菜、里美和彦、鈴木幸二、佐野バビ市、諏訪創、荒木理恵 ほか

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流山児祥 @ryuzanji3

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