氷川きよし明治座での特別公演が上演中、さまざまな扮装姿で人助け

「氷川きよし特別公演」が去る6月3日東京・明治座で開幕した。

本作は、氷川きよしによる7回目の座長公演。第1部では堤泰之が作・演出を手がける新作「ケイト・シモンの舞踏会 ～時間旅行でボンジュール～」、第2部では氷川によるコンサートが行われる。

2013年に明治座創業140周年記念のファイナルとして「氷川きよし特別公演」を行って以降、明治座で公演を続けてきた氷川。昨年は劇場コンサートツアーだったため、芝居パートのある公演は2020年の「限界突破の七変化 恋之介旅日記」以来、2年ぶりとなる。第1部「ケイト・シモンの舞踏会」は、病気の母親に代わり、家計を支えるためにコンビニのアルバイトで家計を支えていた子門慧音（しもんけいと）のタイムスリップ物語。病院で母を看取った慧音は、時が戻ることを願いながら形見の砂時計をひっくり返すと、1788年のフランス・パリにタイムスリップしてしまう。そこでケイト・シモンとしてさまざまな人物に扮し、人々の手助けをすることになり……。

氷川は、ジャンヌ・ダルク、教育係の老婆、衛兵、怪盗ルパン、マリー・アントワネット風の令嬢と、多彩な扮装姿で登場。そのたびに、客席からは拍手と、うっとりとしたため息が上がった。母の言葉「誰かのために」を行動の軸に、次々と人々の思いを交通整理していくさまは痛快で、温かみのある氷川の演技が、観客をさらに作品世界へと引き込む。また、令嬢役で凜とした男装姿も披露した彩輝なお、革命に燃える音楽家を熱演した山崎銀之丞、絶妙な間とツッコミで観客を沸かせた星田英利、正妻の座を奪おうとする悪女を好演した愛原実花がそれぞれ、氷川と息の合った掛け合いを展開し、物語を盛り上げた。

第2部では、氷川のこれまでのヒット曲から、6月21日に発売される最新アルバム収録の新曲まで、アンコールを含め10曲以上が披露された。和と洋の衣裳で時に力強く、時にしっとりと歌唱した氷川は、「皆さん、こんにちは！」と爽やかにあいさつし、明治座での座長公演開催への感謝を続けた。終盤、「どうぞ皆さん、心も体も健康でいてください。そのお役に立てるように、心を込めて歌を届けさせていただきたいと思います」と述べ、明治座バージョンの「限界突破×サバイバー」や「ケイト・シモンの舞踏会」の主題歌となる「革命前夜」などを歌い上げた。

上演時間は休憩を含む3時間35分。明治座公演は7月4日まで行われ、その後、23日から8月5日まで大阪・新歌舞伎座、15日から27日まで福岡・博多座、9月5日から15日まで愛知・御園座を巡演する。

なお、明治座では会期中、氷川の愛称・Kiinaの監修によるCAFE de Kiinaが出店。「スペシャル Kiina カレー▽」などのオリジナルメニューが楽しめる。

※「CAFE」の「E」はアクサンテギュ付き、「▽」はハートマークが正式表記。