戦時中の岸田國士をテーマに“戦争”考える、ダルカラ「岸田國士戦争劇集」

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DULL-COLORED POP 第25回本公演「岸田國士戦争劇集」が、7月5日から19日まで東京・アトリエ春風舎で上演される。

DULL-COLORED POP 第25回本公演「岸田國士戦争劇集」チラシ表

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これは、戦時中の岸田國士をテーマに、谷賢一が構成・演出を担う公演。本公演では、岸田が戦争を描いた「動員挿話」と「かへらじと」の2作を、赤組と白組の2チーム制で立ち上げる。

上演に向け、谷は「演劇とは違う視点から世界を見る行為に他なりません。若い才能たちとたくさんのディスカッションを経て、なぜ当時の私たちが『戦争に行こう』と決心したのか、その視点・視座を解き明かしてみようと思います。ぜひ劇場でご覧下さい」とコメントした。チケットの一般販売は6月13日10:00にスタート。

谷賢一コメント

昨年の秋くらいから、また「福島三部作」のときのように長い徹底的な取材をして芝居を書いてみたいという思いがむくむくとわいてきました。自分には書けないようなものを書きたいと思ったときには、長い取材をして自分以外の声や言葉・視点にしっかり浸らないといけません。何かそういう題材はないか?

そこで浮かんできたのが戦時中の岸田國士というテーマでした。当時の資料や文章などを読むと、大政翼賛会文化部長という明らかに「体制側」に属しながら実に複雑な葛藤を抱えていたことが伺えます。

そして自分は昔から、本当に戦争反対を訴えるならむしろ戦争を賛美・賛成する人間の台詞を書かなければならないのではないかと考えていました。なぜ人は戦争を賛美・賛成するのか? 戦争とはどれだけ魅力的なのか? そこを克明に描かなければ「戦争」の恐ろしさは見えてこないのではないか。「動員挿話」で「人を殺さなくて済むのだから戦争に行かないのは偉いこと」と書いた岸田は、その16年後には「かへらじと」で自分の命を捨てて敵を殺し、まさに火の玉のように散る若者の姿を英雄のように描いています。

よし「岸田國士の戦争(仮)」を書こう。そのためにはまず岸田の書いた戦争劇を全て上演してみよう。本気で、いい俳優を集めて、そして非常に厳密に当時の時代背景や状況をリアリズム的に検証して……。

そう思ってこの公演を用意していたら、ウクライナで戦争が始まってしまいました。今ロシアの国民の8割は戦争賛成だそうです。「私は正しい」と思った者が最も大きな過ちを犯すのは今も昔も変わりません。

出演者の大半はオーディションを経てオファーしました。どの作品も戦争に駆り出される若者たちの話ですから20代が多いのですが、惚れ惚れするような才能が集まりました。また30代以上の俳優は実力派のベテランが居並んでいます。演劇とは違う視点から世界を見る行為に他なりません。若い才能たちとたくさんのディスカッションを経て、なぜ当時の私たちが「戦争に行こう」と決心したのか、その視点・視座を解き明かしてみようと思います。ぜひ劇場でご覧下さい。

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DULL-COLORED POP 第25回本公演「岸田國士戦争劇集」

2022年7月5日(火)~19日(火)
東京都 アトリエ春風舎

作:岸田國士
構成・演出:谷賢一

出演

赤組:阿久津京介、東谷英人、越前屋由隆、齊藤由佳、原田理央、ふじおあつや、松戸デイモン、渡辺菜花
白組:倉橋愛実、荒川大三朗、石川湖太朗、石田迪子、伊藤麗、函波窓、國崎史人、古河耕史
声の出演:石井泉、小野耀大、小幡貴史、勝沼優、椎名一浩、田中リュウ、服部大成、間瀬英正、溝渕俊介、宮部大駿

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あつや @MugenYugen

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