能 義太夫 歌舞伎 「謡かたり 隅田川」が、8月13日に東京・すみだトリフォニーホール 大ホールで上演される。これに先駆け、去る5月17日に取材会が行われた。
これは、“隅田川物”のゆかりの地で、「隅田川」を原作とした「謡かたり 隅田川」を、能楽小鼓方大倉流宗家の
取材会には、源次郎、森田流笛方の杉信太朗、人形浄瑠璃文楽三味線の
信太朗は「もともと私は歌舞伎が好きで菊之助さんの大ファンでございまして、今回再演が叶いまして大変うれしく思っております」と語りつつ、「聴きどころは、終盤、菊之助さんが演じる母親が『南無阿弥陀仏』と唱えるところで笛を吹く場面があります。監修の野村幻雪先生から、『ここは、子供の声を表すようにやさしく吹きなさい』とご指導たまわりました。それを胸に、情景が浮かぶように吹かせていただきたい」とコメントした。
燕三は「この曲は全体として非常に緊張を強いられる出来上がりとなっていて、全く気の抜けないものになっています。最後に母と梅若丸の亡霊が出会うところで大盛り上がりとなり、その後にくる緊張の糸がものすごく、倒れそうになります(笑)。その緊張の糸を保ったまま、最後まで続いて幕となります。この全体を通した緊張感の盛り上がり、緊張感の極みで終わるというこの作品の最大の魅力を皆様に感じ取っていただければ、私たちの試みは成功したのではないかという気がしております」と語った。
梅若丸の母を演じる菊之助は「このお話は、平安時代に起きたことですが、母親の情愛は現代においても普遍的なものだと思います。京都から隅田川までたどり着いた道のりを子供に会いたいという思い1つで旅してきた母親の心情を思うと、舞台に立たせていただくという冷静な気持ちではいるのですが、私も実際に子供を持つ親の立場からすると、今から非常に心が痛みます。今回また皆様と舞台を作る上で、新しい発見を得たり、母親の情愛を一層深めていきたいと思っております」と思いを述べた。
能 義太夫 歌舞伎 「謡かたり 隅田川」
2022年8月13日(土)
東京都 すみだトリフォニーホール 大ホール
第1部 公演解説「すみだと梅若伝説」
第2部 能 義太夫 歌舞伎 謡かたり「隅田川」
監修:野村幻雪
作調:
作曲:豊竹咲太夫、
振付:
出演:杉信太朗(笛)、大倉源次郎(小鼓)、柿原弘和(大鼓)、豊竹咲太夫(浄瑠璃)、鶴澤燕三(三味線)、鶴澤燕二郎(三味線)、
第3部 アフタートーク
出演:大倉源次郎、豊竹咲太夫、尾上菊之助
聞き手:小玉祥子
Sumida Triphony Hall @TriphonyHall
【取材会コメント掲載/ステージナタリー】
謡かたり「隅田川」公演
大倉源次郎、杉信太朗、鶴澤燕三、尾上菊之助、それぞれの立場で語ったコメントが、掲載されました! https://t.co/Kab69h7iz6