岸谷五朗は和製シェイクスピア!?「クラウディア」に向けて大野拓朗・甲斐翔真らがアピール

「Daiwa House Special 音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス」の製作発表が、本日5月19日に東京都内で行われた。

「クラウディア」は、岸谷五朗と寺脇康文が主宰する演劇ユニット・地球ゴージャスが2004年に初演した作品。“反戦三部作”の第1作となる本作では、愛を禁じられ、戦いに明け暮れる“根國”と“幹國”という2つの民族の物語が描かれる。また劇中では、桑田佳祐が書き下ろした「FRIENDS」をはじめ、サザンオールスターズの楽曲が多数使用される。

製作発表ではまず、キャストによるパフォーマンスが披露された。初めに、根國の剣豪・細亜羅（ジアラ）役の大野拓朗と甲斐翔真、幹國の長・毘子蔵（ヒコゾウ）役の廣瀬友祐と小栗基裕が「Oh!クラウディア」を熱唱。その後、クラウディア役の田村芽実、門山葉子を中心としたキャスト一同が、主題歌の「FRIENDS」を力強く歌い上げた。

続いて、スタッフ・キャストがあいさつ。本作の脚本・演出を手がける岸谷は「クラウディア」が“反戦三部作”のうちの1作品であることや、2022年現在の世界情勢に触れつつ、「『クラウディア』で描かれていることは決してタイムリーになってはいけないと思うんです。出演者のみんなにも言ったんですが、演劇は非力。しかし、この作品を通して、お客様1人ひとりに反戦というテーマを伝えていけたらと思います」と力強く語る。また今回、演出に専念することの意図について問われると、「これまで寺脇さんが演じてきた細亜羅は、劇中でファーストキスを経験するシーンがあるんです。でも寺脇さんが還暦を迎えたので、還暦のキスシーンは見たくないなと（笑）。寺脇さんが出ないのに私が出るわけにいかないと思い、演出に専念することにしました」と冗談めかして答え、キャスト陣の笑いを誘った。

地球ゴージャスの公演に初めて参加する大野は「今回出演させていただくことになり、本当にうれしいです。台本を読み込む中で、改めて日本語の美しさを感じました。それと同時に、シェイクスピアのことを思い浮かべたんです。五朗さんってもしかして和製シェイクスピアなのかも……!?」と感激した様子で語り、会場を盛り上げる。芸能活動を始めた頃、地球ゴージャスの稽古場へ行ったことがあるという甲斐は「いつか地球ゴージャスに出演して、五朗さんと寺脇さんと一緒に舞台に立てたら良いなとずっと思っていました。でも今回はお二人共出演されないっていう！（笑） 少し残念ではありますが、精一杯がんばります」とコメントした。

過去に岸谷が演じた毘子蔵役を引き継ぐのは、廣瀬と小栗の2人。廣瀬は「プレッシャーもありますが、楽しみな気持ちのほうが大きいです。この役に僕の血を通わせられたら」と意欲を見せ、普段s**t kingzのOguriとして活動している小栗は「自分が歌を歌っていることが不思議でなりません」と率直な心境を明かしつつ、「『ああ、俺生きてるな！』と感じながら、楽しい稽古の日々を送っています」と笑顔で答えた。

初演でタイトルロールを務めた本田美奈子.への思いを問われた田村は「事務所の大先輩であり、尊敬する美奈子.さんが生前最後に演じられた役ということで、生半可な気持ちではできない」「いつも自分の中で美奈子.さんが一緒に歌ってくれているような気がしています。精一杯、舞台上で生きたいと思います！」と意気込みを語る。田村とWキャストでクラウディア役を務める門山は「先ほど歌った『FRIENDS』には、岸谷さんの思いが詰まっていると感じました。それをお客様に伝えられるように、気持ちを込めて歌います」と決意を明かした。

幹國の剣豪・織愛（オリエ）役の美弥るりかは「日本人女性の中では剣を使った回数が比較的多いと思うのですが（笑）、その経験を生かして、織愛という人物を表現できたらと思います」とコメント。根國の長・ヤン役を演じる上山竜治と中河内雅貴は「ヤンは暴れん坊将軍みたいな役どころ。彼の姿を通して、従順に戦い続ける愚かさとはかなさを伝えられたら」（上山）、「本読みの段階から150%の力を出してしまって、声がガラガラになってしまいました！ まずは、自分が考えるヤンの人物像を提示できればと思います」（中河内）とそれぞれ意気込みを述べた。

両国に恐れられている龍の子を演じるのは、平間壮一と新原泰佑。過去にも地球ゴージャスの作品に出演経験がある平間は「五朗さんと寺脇さんが出演しない地球ゴージャスはどうなるんだろう？と最初は想像ができなかったのですが、僕たちみんなで少しでも地球ゴージャスの雰囲気が出せたら」と力強く答え、メインキャストの中で最年少の新原は「どうしてもこの役を勝ち取りたくて、オーディションのとき、自分のダンスや歌を収録した動画を五朗さんにお送りしたんです。改めて、この役をくださってありがとうございました！ 僕にしかできない龍の子を演じられたらと思います」とアピールした。

最後に、世界を司る神・神親殿（カシンデン）役の湖月わたるが「五朗さんが熱い思いを込めた戯曲、エネルギッシュなダンスナンバー、心がヒリヒリするような立ち回り……それが地球ゴージャスの魅力だと思います。そのDNAをしっかり受け継いでがんばりますので、皆さん期待して観に来てください！」と観客に呼びかけた。

※2022年7月13日追記：7月14・15日の公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。
※2022年7月17日追記：7月16日から22日までの公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。