「パンドラの鐘」は、
本作は1999年の同時期に、蜷川幸雄と野田のそれぞれの演出で、蜷川版が東京・Bunkamura シアターコクーン、野田版が東京・世田谷パブリックシアターで上演された。このたび作者の野田、今回の上演版で演出を手がける
杉原は「成田凌さん、葵わかなさんというフレッシュなお二人をはじめとする魅力的すぎるキャスト陣に加え、異種混合で多彩なスタッフの皆さんとともに、パンドラの鐘の中に残された人類の<希望>を、その鐘の音に乗せ、古代から現代、そして遠く未来へと響かせたい。それが僕の願いです」と語る。さらに葬式屋のミズヲ役を務める成田は「迫力のあるものをお見せ出来ますよう、頑張ります」、古代の女王・ヒメ女を演じる葵は「演出の杉原邦生さんをはじめとする座組の皆さんとご一緒させていただけることに、とてもワクワクしています! 精一杯頑張りたいです」と意気込みを語った。
公演は6月6日から28日までBunkamura シアターコクーン、7月2日から5日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケットの一般販売は東京公演分が4月17日10:00、大阪公演分が5月22日10:00にスタートする。
蜷川実花コメント
父が亡くなって6年経っても、こうして「NINAGAWA MEMORIAL」と題して公演をしてくださること、ありがたく思っています。
そして、その公演にビジュアル撮影という形で参加することができて、とても嬉しいです。本当にありがとうございます。1999年の公演も両パターン観ているので、今回はどんなことになるのか楽しみです。
野田秀樹コメント
蜷川幸雄は、20も年下の私を、人前では必ず「野田さん」と呼んでくれた。それは蜷川さんの律儀な「他の演劇人」へのリスペクトの表れだった。ただ、話し込んでいくといつの間にか「野田、お前さあ」に変わっていった。私は、律儀なリスペクトが親愛の情に変わるその瞬間が好きだった。
あの日もそうだった。
「野田さん」で始まった対談が終わる寸前、「野田さあ、お前、俺になんか書けよ」になっていた。私は「蜷川さん、有難い話だけれど、自分の芝居を書くのに精一杯ですよ」そう答えながら、ふと突拍子もなく図々しいことを思いついた。「でも蜷川さん、これから僕が自分で演出するために書く芝居を、蜷川さんも演出してくれるんだったら、書きますよ」当然、「バカ、ふざけんな!」という答えが返って来るとニヤついていたら「いいよ、それでも」という真顔の返事だった。私は驚きと半信半疑で「え? でも、それは僕だけが得しますよ」私は、どう考えても蜷川さんに失礼この上ない事を言ってしまったと思い直した。けれども蜷川さんは「そのくらいのことをしなけりゃ、硬直した演劇界は面白くならねえんだよ」「いや、でも……」「大丈夫だよ、それで。俺の方がいい演出してやるから」「ほんとに?」「ほんとだよ、バカ!」……ほんとなんだ、本気なんだ。しまったこれはもしかしたら、大変な約束をしてしまったかもしれない。臆した時にはもう遅い。話は決まってしまった。
こうして私は蜷川幸雄を意識しながら懸命に芝居を書いた。そして「パンドラの鐘」という作品が世に生まれた。
あの日、私は蜷川幸雄に演劇人としての懐の深さと演出家としての芯の勁さを感じとった。
蜷川さんのその深さと勁さがなければ、この「パンドラの鐘」は生まれなかっただろう。
その深さと勁さを、この度は、若くして才ある演出家杉原邦生さんに委ねる。杉原さんもこれだけ言われるとプレッシャーを感じるだろうが、大丈夫、白石加代子を始めとした、海千山千の「深く」「勁い」役者ばかりだ、好き放題にやっていただきたい。
バトンは渡された。
杉原邦生コメント
僕たちが生きるこの世界から争いが消えることはない――――そんなかなしい確信を抱かざるを得ない現実を目の当たりにする日々の中で、野田秀樹さんがこの戯曲に託した<希望>の意味を改めて噛み締めています。そして、このシアターコクーンで生前数々の名作を生み出した蜷川幸雄さんの七回忌を迎える本年、「NINAGAWA MEMORIAL」と冠した公演で演出を託されることの重責を強く感じています。それと同時に、二人の偉大な演劇人のレガシーを僕たちが繋いでいけることの<希望>に、これまでにない大きな興奮をおぼえています。
成田凌さん、葵わかなさんというフレッシュなお二人をはじめとする魅力的すぎるキャスト陣に加え、異種混合で多彩なスタッフの皆さんとともに、パンドラの鐘の中に残された人類の<希望>を、その鐘の音に乗せ、古代から現代、そして遠く未来へと響かせたい。それが僕の願いです。
成田凌コメント
20年前から様々な方々が演出され、演じられてきたこの「パンドラの鐘」、“ミズヲ”を演じさせていただきます。自分自身、初めて舞台に立たせていただきますが、気の知れた方や信頼できる方、大先輩方に支えられながらしっかりとミズヲを演じられたらと思います。葵わかなさんは前回お母さんだったのでまた違うお芝居ができるのをたのしみにしています。迫力のあるものをお見せ出来ますよう、頑張ります。
葵わかなコメント
脚本を初めて読ませていただいた時の気持ちが、今も強く残っています。不思議で突拍子もなくて、巧妙で、切なくて……色々な気持ちが浮かびすぎて、なんて言葉で表したらいいのかわからないくらいなのですが、それを表現する立場に加われることがとても嬉しいです。成田凌さんとは親子という間柄を演じて以来の共演なので、不思議な気持ちもあるのですが、とても心強いです。この作品ではどんな関係性をお見せできるのかとても楽しみです。演出の杉原邦生さんをはじめとする座組の皆さんとご一緒させていただけることに、とてもワクワクしています! 精一杯頑張りたいです。
COCOON PRODUCTION 2022 NINAGAWA MEMORIAL「パンドラの鐘」
2022年6月6日(月)~28日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2022年7月2日(土)~5日(火)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
作:
演出:
出演:
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なお @nanocha
大阪公演ある!行きたいな。 https://t.co/65hs23eabx