gekidanUは、東京・南千住の住宅を改造したアートスペース・アトリエ5-25-6を拠点に活動してきた。同アトリエは取り壊しのため移転が決定しており、今回は移転を前にした“家公演”の第6弾となる。アントン・チェーホフ「桜の園」を題材にした本作では、
葭本は「『おいてきぼりの桜の園』は、おいていかれた召使たちがそのまま廃墟で暮らし続けたら?というifの物語です。春に壊されるわたしたちgekidanUの南千住アトリエと、チェーホフ『桜の園』を重ねてお送りします」とコメントし、「この作品が、現在『ふつう』の枠から外され不利益をこうむり苦しんでいる人々にとって、その人々と同じ世界を生きているわたしたちにとって、『社会の定めた基準が本当に生きている人々にとって適切なのか』を考え直すきっかけになればと思います」とメッセージを送った。
またヒガシは「気づけばたくさんの方々が素敵な芝居をして、たくさんの人がそれを観に来てくれたこのアトリエ5-25-6、来年早々での取り壊しが決まっています。残された時間もあと僅か。そうした状況のなかで今回『桜の園』をモチーフにした葭本さんさすが!と思ってます。一日一日を噛み締めながら、しっかりとした作品を作っていきたいです」と意気込みを語った。
葭本未織 コメント
チェーホフ「桜の園」を読み返した時、結末で貴族たちは田舎を捨てて都会へ出て行けるのに、召使たちはそのままおいてきぼりにされることに気がつきました。その姿が、2020年のエッセンシャルワーカーの姿と重なりました。生活を支える必要不可欠な存在であるにも関わらず、ないがしろにされた人々の姿に。「おいてきぼりの桜の園」は、おいていかれた召使たちがそのまま廃墟で暮らし続けたら?というifの物語です。春に壊されるわたしたちgekidanUの南千住アトリエと、チェーホフ「桜の園」を重ねてお送りします。
また、「おいてきぼりの桜の園」では女性同士の恋愛を描きます。葭本作品ではこれまで、女性同士の恋愛を描きながらも、最後には恋が男性に壊されてしまうという結末を選んできました。それは作家の中に「異性愛」が「ふつう」だという強固な偏見があったからだと気づき、深く反省しました。この物語の舞台は2025年です。少し先の未来の日本で、少女はふつうに女性に恋をして、ふつうに苦しみ、ふつうに成長していきます。彼女の恋は男性に壊されることは無いし、物語の中で同性を愛することに社会的な障害は存在しません。未来の少女の恋が「ふつう」である演劇。この作品が、現在「ふつう」の枠から外され不利益をこうむり苦しんでいる人々にとって、その人々と同じ世界を生きているわたしたちにとって、「社会の定めた基準が本当に生きている人々にとって適切なのか」を考え直すきっかけになればと思います。魅力的な女優が7人、集まりました。ぜひご覧ください。
ヒガシナオキ コメント
まずフライヤーがめちゃくちゃ可愛いですよね、大好きです。
数年前から裏方ばかりが集まっていた我々、役者は定期的にオーディションを行って募っているのですが、毎回毎回「なんでウチのようなヘンテコな集団にこんな人達が来てくれるんだろう……」と思い感謝するばかりです。
気づけばたくさんの方々が素敵な芝居をして、たくさんの人がそれを観に来てくれたこのアトリエ5-25-6、来年早々での取り壊しが決まっています。残された時間もあと僅か。そうした状況のなかで今回「桜の園」をモチーフにした葭本さんさすが!と思ってます。
一日一日を噛み締めながら、しっかりとした作品を作っていきたいです。
gekidanU 家公演企画 Vol.6「おいてきぼりの桜の園」
2021年12月9日(木)~12日(日)
東京都 アトリエ5-25-6
脚本:
演出:葭本未織、ヒガシナオキ
出演:麻生実希、池内明世、市原ユウイチ、花奏和音、持田千妃来、弥上零、鈴木明日歌、ヒガシナオキ、森下凜央
ステージナタリー @stage_natalie
題材はチェーホフ「桜の園」、gekidanUの家公演「おいてきぼりの桜の園」(コメントあり)
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