Noism0 / Noism1「境界」が12月から来年1月にかけて、新潟・東京・高知で上演される。
これはNoism0とNoism1によるダブルビル公演。「Endless Opening」を振り付けるのは、Co.うんの
公演は12月17日から19日まで、新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場、24日から26日まで東京・東京芸術劇場 プレイハウス、来年1月10日に高知・高知市文化プラザかるぽーと 大ホールにて上演される。チケットは10月23日に一般発売スタート。
山田うんコメント
私がCo.山田うん以外の舞踊団に振付をするのは初めてです。
俳優、歌手、体操選手、または老若男女の一般市民や障がい者やダンスを学ぶ学生など、いろいろな人々 とダンスを作ったり振り付けたりする機会はありましたが、同じメソッドで鍛え上げられた舞踊家たち、いつも圧倒的 な
2021年は「鎮魂」をテーマに作品を手掛けています。2019年に設定したシーズンテーマです。5月に「あの世とこの世の橋」をテーマに僧侶の方々との共作「Bridge」、7月に「死んだらみんなどこ行くの?」をテーマにした 子ども向けの「オバケッタ」を発表しました。今回の「Endless Opening」もその流れの中に位置しています。
生きていくということは毎日少しずつ死んでいくこと。夢や希望は宙吊りのまま、現実の扉はどんどん勝手に開いていくもの。私たちが今、力強くわかっていることは「わからない」ということ。何かが終わる前に聞こえてくる始まりの音。音のような風。私が気付かないうちに、私が消えていくこと。野辺に仰向けになりながら、生まれ、分断され、消えていく雲を眺めているときのような。
金森穣コメント
今此処とは何処のことか
新作のタイトルは「Near Far Here」。私なりに訳すれば「近くて、遠い、此処」ということになる。果たして此処とは何処か。それが定まらない限り、何が近くて、何が遠いのかを理解することはできない。けれど今私たちが生きているこの情報社会が(その社会を生きる私たちが)、地球の裏側の出来事を“近い事”として理解し、目の前で繰り広げられる出来事(そこに生きる人々)のことを“遠い事”、すなわち自らに関係のない物事と捉えていることに、疑問を持つ人はいないだろう。
そこに輪をかけてコロナである。「今此処」を他者と共有することは避けられ、日々感染者数に翻弄され、目に見えないウイルスに怯える日々。そうかと思うと「コロナ慣れ」。危機感を抱き続けることにも、数字に一喜一憂することにも慣れてしまう。 慣れとは生物にとって、環境適応サインであると同時に、戦い続けることへの疲弊のサインでもある。
心の疲弊によってもたらされる、何を言っても、何をしても無駄だという虚無感は、目の前の出来事にも、遠くの世界の出 来事にも、今此処であるところの自分自身についてさえも、想像する力(問う力)を奪ってしまう。そうして「私とは誰か」を問うことを止めた人々は、他者の人生に介入(それも匿名で)することによって、なんとか世界との繋がりを保持しようとする。
私とは誰のことか
「今此処」であることと切り離せない実演芸術に携わる者として、この事態をどう理解すればいいだろうか。そんなことを悶々と考えながら、バロック音楽を聴いていて感動した。そしてふと、隠れキリシタンに想いを馳せた。彼の国では音楽が信仰と切り離せなかった時代。此処日本では江戸時代=キリシタン弾圧の時代である。遠い国の信仰に魂を揺さぶられ、生まれた(近い)国の人々に弾圧された人々。その人たちの信じたもの、その志に興味を抱いた。そして今、遠い国の、遠い時代の音楽や人々に感動し、今此処にいる私とは、一体誰なのだろうかということにも。
現時点で語れるものは創りたくない
プレスリリースに必要だからと、広報から演出ノートを頼まれて書いたのが、上記の文章である。このような混沌とした自らの状態、創作に際するインスピレーションを、何とか言語化(整理)してみた。あるいは上記の問いとは別の問いが、明日にも生まれるかもしれない。今私に言えるのは、現時点で語れるもの(想定可能なもの)など、創りたくない、ただそれだけである。
Noism0 / Noism1「境界」
2021年12月17日(金)~19日(日)
新潟県 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
2021年12月24日(金)~26日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
2022年1月10日(月・祝)
高知県 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
演目
「Endless Opening」
演出振付:
出演:Noism1
「Near Far Here」
演出振付:
出演:Noism0
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山田うんが振付で初参加、Noism0&Noism1のダブルビル公演「境界」(コメントあり)
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