演劇体験を4つのタームで提示、円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」

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円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」が、10月27日から31日まで神奈川・STスポットで上演される。

円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」メインビジュアル

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円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」チラシ(イラスト:AOTQ、デザイン:大田拓未、写真:濱田晋)

円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」チラシ(イラスト:AOTQ、デザイン:大田拓未、写真:濱田晋)[拡大]

「ウォーターフォールを追いかけて」は、上演にとどまらない演劇の豊かさの提示を試みるプロジェクト。同企画は、稽古から上演に至るまでの時間をイントロダクション、クリエイション、リクリエイション、プレゼンテーションの4つのタームに分けて実施される。

イントロダクションでは、参加メンバーへのインタビューをもとにした記事を、クリエイションでは稽古の過程をオーディオレポート形式で公開。またリクリエイションでは、東京・早稲田小劇場どらま館で上演される「ウォーターフォールを追いかけて」の稽古・本番の様子を9月27日と10月3日、22日にライブ配信する。なおリクリエイションの劇場での観劇は早稲田大学の学生、同大学のサークルに所属する学生のみ可能だ。

そしてプレゼンテーションでは、それまでのプロセスを踏まえ、STスポットの劇場空間で作品を上演。昨年7月に早稲田大学の学生と共に行われた「ドラマゼミ」の成果物をもとに、カゲヤマ気象台が執筆した「ウォーターフォールを追いかけて」を披露する。

カゲヤマ気象台と、プロジェクトメンバーである日和下駄のコメントは以下の通り。

カゲヤマ気象台コメント

カゲヤマ気象台(Photo by Arata Mino)

カゲヤマ気象台(Photo by Arata Mino)[拡大]

ドラマというテーマはパンデミック前から構想していたものです。しかし現在の生活の中で、ますます演劇でドラマに主眼を置くことの必要性を強く感じるようになってきました。この生活は非常に消極的です。新しい場所に行くことも、新しい人と出会うことも、新しい体験を得ることも抑制されてしまう。無意識のうちに大きな流れに身を任せてしまっているような、そんな感覚になることもしばしばあります。それに対してドラマの本来の姿は積極的な態度を示します。いわば社会に対する意志の表明であり、自分たちの場所を建設していくための知恵です。この積極性はドラマの登場人物にも、劇の作り手にも、そしてそれを観に集まってきた観客にも求められます。これらの積極性が一箇所に集まる場所こそが劇場だったはずです。その劇場を改めて始めるために何ができるか、というのが「ウォーターフォールを追いかけて」に取り組むにあたっての自分の基本的な考え方です。ただドラマらしきものを作るだけなら簡単です。何もないところからドラマのまさに生まれる瞬間を的確に捉え、それを冷徹に観察するような態度でいたい。それは不安定なものかもしれませんし、まさに今までドラマだと思っていたものとは似て非なる何かかもしれません。おそらく不定形なものが生まれると思います。しかしそれは不確かではなく、むしろ目の前に間違いなく存在し、積極的な態度を求めてくる「何か」であるはずです。

日和下駄コメント

日和下駄(Photo by Arata Mino)

日和下駄(Photo by Arata Mino)[拡大]

円盤に乗る派のプロジェクトメンバーとなり、2年と半年が過ぎました。当初は俳優としてのみ参加するつもりでしたが「プロジェクトのプロデュースに俳優が参加するのは広く演劇にとって良いことかもしれない」と思い、昨年の「ウォーターフォールを追いかけて」からは企画として、企画設計、助成金の申請、広報文の作成、進捗管理なども行うようになりました。実際に企画として実務を行ってみると、その仕事は俳優と少し似ている部分があるように感じています。戯曲から読みとったことを増幅し、できるだけ豊かに演技として表出すること。代表から聞き取ったイメージを、広く伝わるような言葉にして公演として実現させること。そのどちらにも私は植物を育てるようなイメージを持っています。「今の時代にはやっぱりドラマが必要だと思う」。そんななんの根拠もないイメージから始まった本プロジェクトがどのような植物を芽吹かせるのか。楽しみに育てています。

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円盤に乗る派「ウォーターフォールを追いかけて」

2021年10月27日(水)~31日(日)
神奈川県 STスポット

原案:ドラマゼミメンバー(カゲヤマ気象台、片山さなみ、中西空立、マツモトタクロウ)
脚本・演出:カゲヤマ気象台
音楽・イラストレーション:AOTQ
出演:小山薫子、キヨスヨネスク、立蔵葉子西山真来、畠山峻 、日和下駄

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