坂東玉三郎、南座舞踊公演への思い語る「現実を忘れ、夢の世界を過ごしていただきたい」

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7月と8月に京都・南座で「特別舞踊公演」を行う坂東玉三郎の取材会が、本日7月12日にオンラインで行われた。

坂東玉三郎(撮影:柏原孝史)

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坂東玉三郎(撮影:柏原孝史)

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「雪」より、坂東玉三郎の扮装姿。(撮影:篠山紀信)

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「鐘ヶ岬」より、坂東玉三郎の扮装姿。(撮影:篠山紀信)

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「日本振袖始」より、坂東玉三郎の扮装姿。(撮影:篠山紀信)

「日本振袖始」より、坂東玉三郎の扮装姿。(撮影:篠山紀信)[拡大]

玉三郎の単独公演となる7月公演では、地唄舞「雪」と「鐘ヶ岬」を上演。玉三郎に加え、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助の3兄弟と、劇団新派の河合雪之丞が出演する8月公演では、「鶴亀」と「日本振袖始」が披露される。玉三郎は、この連続公演について「8月は休演日があるため、通常の舞踊公演より日数が少ないんですね。そのため、7月の後半に数日間、8月とは違うプログラムを上演できれば、と考えました」と経緯を話す。

自身が長年舞ってきた演目「雪」と「鐘ヶ岬」については「『雪』は、燭台を付けて舞わせていただきます。また『鐘ヶ岬』は、3月に歌舞伎座で上演した“豪華版”を、南座に持ってまいります」とコメント。また、7月公演のみ行われる口上では、玉三郎の打掛が披露される。「今年1月に実施した大阪松竹座での公演でも、口上で打掛をお見せしたのですが、そちらでご好評をいただきまして。(今回披露する打掛は)大阪松竹座と被らないラインナップ。京都ですから、唐織もご覧いただこうかなと」と述べつつ、「……これが恒例になってしまうと、お見せする衣装が足りなくなっちゃうんじゃないかと思っています(笑)」と茶目っ気たっぷりにほほ笑んだ。

8月公演のキャスティングは、玉三郎自身の要望だったと言う。「たびたび舞踊公演をやらせていただいておりますが、お客様に新しい雰囲気を味わっていただくことも大事。キャストありきで、演目を決めました」と思いを口にする。「日本振袖始」で稲田姫役を勤める雪之丞については、「雪之丞さんはもともと歌舞伎の方ですし、こういう機会があってもいいんじゃないのかな、と。早めにお声がけしました」とキャスティングを振り返った。

橋之助、福之助、歌之助は、「鶴亀」と「日本振袖始」の両演目に登場。玉三郎は「『明治座 三月花形歌舞伎』の『通し狂言 桜姫東文章』の稽古場に、(片岡)仁左衛門さんと指導しに行きまして。そこで松若をやっていた橋之助くんに、稽古をつけたことがご縁」と起用のきっかけを明かし、「お客様に若い息吹というものを発見していただくことも、歌舞伎の楽しみ方の1つだと思っています」と言葉に力を込めた。

玉三郎は、1992年以来、南座で繰り返し舞踊公演を行ってきた。「『日本振袖始』もそうなのですが、『蜘蛛の拍子舞』『紀州道成寺』『船弁慶』といった演目は、南座で初演したもの。南座の舞踊会を通して、数々の作品を作ることができて、しかもこうして再演できることをうれしく思います」と声に喜びをにじませる。そして、南座の魅力を「歌舞伎の大きさに向いている劇場。演技をオーバーにしなくても、繊細な芝居がすぐに伝わりますし、お客様との関係も非常に良い」と表現。さらに「今回の『鶴亀』の女帝の冠や、着ている長絹も京都産なんです。京都に入ってから納品されるのですが、その場所で注文できる、ということは貴重ですね」と、しみじみ語った。

最後にコロナ禍での上演について「また騒がしくなってまいりましたので、(状況を)大変心配しております。お客様にも気をつけていただき、私たちもできる限りのことをやっていくしかありません。苦しい状況ではございますが、ご来場いただく限りは、現実をお忘れいただき、夢の時間を過ごしていただきたい。精一杯勤めさせていただきます」と意気込み、取材会を締めくくった。

なお「坂東玉三郎 特別舞踊公演」の7月公演は7月24日から28日まで、8月公演は8月2日から24日まで行われる。

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南座7月「坂東玉三郎 特別舞踊公演」

2021年7月24日(土)~28日(水)
京都府 南座

出演:坂東玉三郎

南座8月「坂東玉三郎 特別舞踊公演」

2021年8月2日(月)~24日(火)
京都府 南座

一、鶴亀

出演

〈A日程〉
女帝:坂東玉三郎
亀:中村福之助
鶴:中村歌之助

〈B日程〉
女帝:坂東玉三郎
亀:中村橋之助
鶴:中村歌之助

二、日本振袖始

作:近松門左衛門

出演

〈A日程〉
岩長姫実は八岐大蛇:坂東玉三郎
素盞嗚尊:中村橋之助
大蛇の分身:中村福之助
大蛇の分身:中村歌之助
稲田姫:河合雪之丞

〈B日程〉
岩長姫実は八岐大蛇:坂東玉三郎
素盞嗚尊:中村福之助
大蛇の分身:中村橋之助
大蛇の分身:中村歌之助
稲田姫:河合雪之丞

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