少年忍者 / ジャニーズJr.の
「ロミオとロザライン」は、ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をもとに、
演出家の松谷亜希子(吉倉)率いるカンパニーでは、ロミオ役に舞台初出演の若手スター俳優・北山修一(川崎)、ジュリエット役に元アイドルの女優・蓮見なな(飯窪)がキャスティングされていた。初日まであと5日というところで、稽古は北山の「ロミオは本当にロザラインを愛していたのか」という疑問によって中断される。その問いに松谷は答えられず、納得できない北山はそのまま稽古を抜け出してしまう。その夜、ロザラインについて必死に調べる松谷に、北山から電話が。実は北山は松谷に思いを寄せており、彼女から告白の返事を待っていたのだった。上演に集中するため、公演が終わるまで返事はできないと答え、電話を切る松谷。彼女はその夜、自分がロザラインとして「ロミオとジュリエット」の世界に入り込む夢を見て……。
物語は、初日間近の稽古場で起こるドラマをベースに、稽古として上演される「ロミオとジュリエット」、松谷の夢の中での「ロミオとジュリエット」と、2つの劇中劇を含む形で展開。舞台上には、稽古場らしさが漂う、骨組みが見える簡易的な装置が建てられた。その装置が、シーンの切り替わりをシームレスに行うことで、2つの劇中劇が混じり合う様子、虚構と現実の境目が曖昧になっていくさまが示される。
鴻上がコミカルに描く、俳優同士のやり取りや関係性は、客席に笑いを起こした。また、ロミオの心変わりによって物語から追い出されたロザラインと、北山の心変わりにより、北山から愛されなくなる松谷を結びつけることで、ロザラインの切なさが強調される。亡霊のように立ち尽くすロザラインの物悲しさと、北山を複雑な感情で見つめる松谷の哀れさがリンクし、観客の感情移入を誘った。
舞台初主演の川崎は、惚れっぽく、思い込んだら一直線な北山を、人間味のある人物としてパワフルに立ち上げる。惚れた相手に全力でアプローチをかける姿には、軽薄さを感じさせず、“嘘がつけないスター俳優”という役どころを愛嬌たっぷりに体現した。ロミオ役として披露する殺陣での、軽やかな身のこなしにも注目したい。
吉倉は、松谷の真面目さや繊細さを、発するセリフの端々ににじませつつも、俳優に演出を指示するシーンでは、毅然とした態度で演出家らしさを表現。また、松谷とロザラインの、“愛されなくなった”がゆえの苛立ちや悔しさを、その表情や佇まいから雄弁に語ってみせた。飯窪は、ジュリエットの狂気的なまでの一途な愛を体いっぱいで表し、場を圧倒。一方蓮見役では、野心家な一面を持つ女優として、冷静さと芯の強さの際立つ演技で魅せた。
上演時間は約2時間で、東京公演は7月25日まで。その後、30日から8月1日まで大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。本作について川崎は「笑える部分や考えるところもある面白い内容になっているので、みなさんが楽しんで下さったら、僕らの芝居も変わってくるんじゃないかと思うんです。それが舞台なので、まずは楽しんで観ていただけたら嬉しいです」とコメントした。
川崎皇輝(少年忍者 / ジャニーズJr.)コメント
ついに初日まで来た、という実感がしています。
稽古の1か月間を通じていろんな方に助けていただいて、支えていただいた成果を発揮したいです。
僕が演じる北山は、しっかりしているというか、芯のある役なので、そのせいか共演者の方からも大人っぽくなったねって言われます。
ロミオのシーンは、セリフも長くてシェイクスピアの独特の言い回しも多いですし、衣装も素敵で、なによりかっこいい役なので。
僕もかっこいいロミオになれるように頑張りたいです。
笑える部分や考えるところもある面白い内容になっているので、みなさんが楽しんで下さったら、僕らの芝居も変わってくるんじゃないかと思うんです。
それが舞台なので、まずは楽しんで観ていただけたら嬉しいです。
舞台「ロミオとロザライン」
2021年7月9日(金)~25日(日) ※川崎皇輝の「崎」は立つ崎が正式表記。
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
2021年7月30日(金)~8月1日(日)
大阪府 サンケイホールブリーゼ
作・演出:
出演:
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川崎皇輝、初主演作「ロミオとロザライン」開幕に「まずは楽しんで観ていただけたら」(公演レポート / コメントあり) - ステージナタリー https://t.co/5MpiELyvAL