「Part of it all」は、ナカフラにとって約2年半ぶりとなる公演。本作では、翻訳劇を現代日本の価値観と身体に即し、誤訳と意訳を織り交ぜ再解釈する“誤意訳”の手法で、エドワード・オールビーの戯曲「動物園物語」を新たに立ち上げる。
誤意訳と演出を手がける
本作には、
中野成樹コメント
ナカフラ、2年半ぶりの公演です。東京に限っては5年ぶりになります。さぼっていたわけではありませんが、私が鬱をわずらったり、複数のメンバーが育児に追われはじめたり、新型コロナがやってきたり、なかなかその機会が整いませんでした。その間、「めんどくせえし、疲れるから、芝居はもういいや……」と思った時期もあります。一方で、「最近、神の摂理や、人生における絶対的な定理に触れてねえなあ……」と、ナカフラのない日々に物足りなさを感じてもいました。つまり、メンバーとの創作は、神や定理の再発見だったのだなと認識しました。みんなと一緒に「新しい定理」を探したい。そう思いました。
そこで、今回はある指針を立てました。それは、現状のメンバー全員が、(1)日常生活を維持しながら無理なく参加できる (2)あるいは、積極的に不参加できる というものです。例えば、家事・育児のため、稽古を遅刻・早退しなければいけない場合、遠慮なくそうしていい。子供を稽古場へ連れてきてもいい。子供が騒ぐならば、その状況でできる稽古をやってみよう、と。体調が悪ければ、コロナが恐ければ、直前だろうが稽古を欠席していい。最悪、当日まで稽古に参加しなくてもいい。いきなり当日やってきても、それを受け入れられる本番を用意してみよう。「いっそ本番も来なくていいよ、それでもあなたはナカフラのメンバーだし、つまり創作者なんだ」そんな演劇ができないだろうか。そこに「新しい定理」のヒントが埋まってないだろうか。
そういった条件のもと、現状では「原作の冒頭3-4頁分だけならば確実に上演できる」そんな結論に行き着きました。全編の1/12くらいです。これまでの自分なら、絶対に許せない状況ですが、「でも、なんつーか……それでよくねえか?」なんて思える現代(いま)を感じてもいます。よろしければ、是非、お立ち会いください。
※(1)と(2)は丸数字が正式表記。
中野成樹+フランケンズ2021「Part of it all」
2021年7月18日(日)
東京都 えこてん 屋上スタジオ、廃墟スタジオ
原作:エドワード・オールビー「動物園物語(1958)」
誤意訳・演出:
出演予定:
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ゆうた @yuta1009
ナカフラ、2年半ぶりの公演「Part of it all」オールビー「動物園物語」を“誤意訳”で再解釈(コメントあり) https://t.co/dkIvbEhCeD