「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」のライブ配信が決定。配信に向け、去る6月4日に出演者である
配信されるのは、6月20日15:00開演回。配信媒体は歌舞伎オンデマンド、MY Bunkamura、Streaming+、PIA LIVE STREAMで、視聴チケットは、本日6月8日10:00に販売開始される。配信の実施について「必ずやりたかったこと」と目を輝かせる勘九郎は、東京公演の初日が、新型コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言の影響を受け、6日間延期になってしまったことに言及。「配信を通して、中止公演のチケットをお持ちだったお客様に『夏祭』をお届けしたいという気持ちがまずありました。それから、東京公演に行きたくても行けない、というお声も全国からいただいていて。そういった方々にも観ていただけるので、配信が実現してとてもうれしい」と微笑む。
勘九郎は、かつては配信に対して前向きではなかったと話し、その考えが変わったのは、昨年中村屋で実施した生配信公演だったと続ける。「コメント欄が、“待ってました”、“やってくれてありがとう”というお言葉であふれていて。(配信は)今後も続けていきたいですね」と思いを述べた。
配信のメリットを記者から聞かれた勘九郎は、「自由に観られるところ」と回答。「江戸時代の歌舞伎には、ご飯を食べたり、お酒を飲んだり、入退場自由で観られるという魅力がありました。当時の自由な見方が楽しめるのは、ご自宅なんじゃないかと。あと、これは七之助も言っているんですけど、配信って1枚の視聴チケットを買ったら、ご家族全員で観ていただける。なのでこれを機に、これまで歌舞伎に触れてこなかった方にも観ていただけたら」と語る。
「団七は、父(中村勘三郎)を通してとても好きな役で、必ずやりたい役の1つだった」と話す勘九郎が、団七九郎兵衛を初役で務めたのは、2011年に福岡・博多座で上演された「桜壽博多座大歌舞伎」。このとき、勘九郎は勘三郎の代役として出演した。初役時を「あまり記憶がない」と明かす勘九郎は「急に決まったことでしたね。九州新幹線の開通記念で、博多の皆さんも父を待っていたときで。またちょうどその時期、僕は、三谷幸喜さんの『ろくでなし啄木』という三人芝居を終えたばかりだった。体力的にもキツかったですし、しかも東日本大震災も起きて……。芝居をしていていいものなのか、自問自答をしながらの日々でした」と当時の苦悩を振り返る。
今回の上演について「準備期間もたっぷりありましたし、10年前とは心も身体も全然違う」と話す勘九郎は、「コロナ禍に合わせて演出の変更があり、出演者も七之助、松也と、メンバーが一新しました。このカンパニーでの団七がつかめた気がします」と手応えを述べた。さらに勘九郎は「本作では、父もやっていなかった道具屋の場面を含め、玉島兵太夫内の場など、原本から端折っている部分もあります。なので、串田さんとは新型コロナウイルス(の状況)が晴れたら『夏祭浪花鑑』の“完全版”をやろう、と話しています」と構想を明かした。
「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」配信
2021年6月20日(日)15:00~
「第7回 信州・まつもと大歌舞伎『夏祭浪花鑑』」
2021年6月17日(木)~22日(火)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
「渋谷・コクーン歌舞伎 第十七弾『夏祭浪花鑑』」
2021年5月12日(水)~30日(日)※公演終了
東京都 Bunkamura シアターコクーン
作:並木千柳、三好松洛、竹田小出雲(「夏祭浪花鑑」より)
演出・美術:
出演
団七九郎兵衛:
団七女房お梶:
一寸徳兵衛 / 徳兵衛女房お辰:
玉島磯之丞:
団七伜市松:中村長三郎
傾城琴浦 / 役人左膳:
三婦女房おつぎ:
三河屋義平次:
釣船三婦:
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