舞台は1999年のニューヨーク。日本人のライター・紺野丈雄は、マッカーサーの補佐的立場で日本民主化のために設立された民間検閲局に所属していたフォービアン・バワーズへ取材を行っていた。50年以上も前のことを鮮明に語り、紺野のことを当時親交のあった“キイチロ”だと信じ込むバワーズと、それに応えて“キイチロ”を演じる紺野。パワーズの意識は次第に1940年代の日本へと融けていき……。
八鍬健之介が作・演出を手がけ、キャストには
八鍬健之介コメント
第二次大戦後、歌舞伎や能、狂言の上演規制と解禁に携わったGHQの検閲官たち中でもフォービアン・バワーズ少佐は、のちに「歌舞伎の救世主」と呼ばれるほどの活躍を見せます。
しかし本作は、「救世主」としての彼を描いたものではありません。ある理由から、ひたすらに歌舞伎という芸術の存在を必要とする“青年”を描いた作品です。
演劇を含む芸術は、決して不要不急のものではないと私自身は感じていますが、作り手側が言うのも何だかなとも思っています。
少々いきすぎのように見えるバワーズ少佐の歌舞伎愛ですが、人と芸術の繋がりという意味でこれほど強固なものもないでしょう。
思いつく限り彼は、今の私にとって最強の代弁者なのです。
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ステージナタリーに記事が掲載されました。
第二次大戦後に歌舞伎を必要とした青年の物語、wonder×works「わが花」に藤原祐規ら(コメントあり) https://t.co/8AGyaEOhi2