「The Last 5 Years」に向け、木村達成・水田航生・平間壮一が三者三様のアプローチ

「オフ・ブロードウェイミュージカル『The Last 5 Years』」の合同取材が4月上旬に行われ、出演者の木村達成、水田航生、平間壮一が出席した。

本作は、ミュージカル「パレード」「Songs for a New World」などで知られるジェイソン・ロバート・ブラウンが作詞・作曲・脚本を手がけたミュージカル。2001年にアメリカ・シカゴで上演されたのち、オフ・ブロードウェイに進出、2014年に映画化された。小林香が演出する今回の上演版には、木村＆村川絵梨ペア、水田＆昆夏美ペア、平間＆花乃まりあペアの3組が出演する。

作中では、駆け出しの女優・キャシーと新進気鋭の作家・ジェイミーが出会い、結婚し、別れに至るまでの5年間が描かれるが、キャシーは別れから出会いに向かって、ジェイミーは出会いから別れに向かって、2人の時間軸が逆行する形で物語が進んでいく。映画版を視聴したという木村は「映画版キャストのアナ・ケンドリックとジェレミー・ジョーダンのお芝居が上手すぎてプレッシャーを感じていますが、2010年上演版にも出演した村川さんが相手役なので、少しホッとしました。2人で素敵な瞬間を作れたらいいなと思います」と意気込みを語った。

平間はもともと「The Last 5 Years」の楽曲のファンだったそうで、「『こういうナンバーが歌えるようになったらいいな』と思っていた矢先に出演が決まったのでうれしかったですね。人間味あふれるストーリーを、素晴らしい音楽に乗せて表現できるようにがんばります」と気合十分な様子。水田は、過去に出演経験のある山本耕史や村川から本作の魅力を聞いていたと明かし、「まさかジェイミー役を自分がやらせていただけるなんて……どこまで自分を高められるか、自分自身に期待しながら稽古していきたいと思います」と抱負を述べた。

平間と水田はこれまで小林の演出作に出演したことがあるが、木村は今回が初めて。木村は小林に向けて、「時に優しく、時に厳しく接していただけるとうれしいです（笑）。感覚が研ぎ澄まされるというか、いわゆる“ゾーン”に入ることがたまにあるんですけど、今回もそんなお芝居ができたらいいなと思っています」とコメント。一方、小林をよく知る平間は「香さんは、愛を持って作品を作っている方。あらゆるタイプの俳優さんと接してきて、どんな方にでも対応できる方だと思うので、この3ペアをどんなふうにまとめていただけるか楽しみで仕方ないです」と笑顔を見せた。

また、3ペアでの上演となることについて、水田が「人となりをよく知っている2人がジェイミー役でよかったなと思うと同時に、2人が出ている回は1杯ひっかけてからじゃないと観られないなって思います（笑）。2人がどうやって演じるのか気になるけど、影響されたらどうしようって思いもあって。とりあえず、マイペースにがんばっていきたいです（笑）」と答えると、木村もおおむね同意しつつ、「もし自分が出ていないバージョンを観るとしたら、ジェイミーでなく、キャシー役のお二人を中心に観て勉強したいですね」と別の視点から意見を述べた。

作中で、キャシーとジェイミーの5年間が描かれることにちなみ、“5年”にまつわるエピソードを問われると、水田は「実は、役者を続けるかどうするかを5年ごとに決めてるんです。なので『The Last 5 Years』には運命的なものを感じましたね」と回答。木村は「今年28歳になるんですけど、今23歳のときと同じ感覚に戻っている気がして。あの頃持っていた“理由のない自信”って、実は1周回って最強なんじゃないかな？って思い始めました」と分析しつつ、「尖った5年間を経て、根拠のない自信を得た木村をぜひ劇場で観てほしいです！」とアピールした。

最後に平間は「『誰でもこんなふうに傷付いたことあるよね』ってみんなで共感できる空間にできればと思います」と観客に呼びかけ、水田は「身体的なつながりが持てない時代だからこそ、この作品を通して人の心に触れていただければ。エンタテインメント性に富んだ作品なので、ぜひ劇場に足を運んでみてください」とメッセージを送った。

公演は6月28日から7月18日まで東京・オルタナティブシアター、7月22日から25日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて。東京公演分のチケットは5月22日10:00、大阪公演分は6月12日10:00に発売される。