「日本人のへそ」は、1969年に初演され、1977年に映画版も製作された
栗山は「『日本人のへそ』を上演するのはこれで4度目だが、なんだかいつも熱く心躍る。それは、この作品に込められた、井上ひさしのいっぱいの熱い思いからだろう。それが今ひとつの言葉が舞台の上で熱く弾け飛び、旋律にのって歌になる。この荒涼とした日々の続くなか、人間にはこんなにたくさんの感情があったのだと、ただ感謝の気持ち」と作品への思いを述べる。
井上芳雄は「井上先生の処女作ということで、見たことはありました。今回10年ぶりの再演ということで出演する側になりましたが、今までこんな芝居はやったことないっていう作りの芝居です。1幕と2幕で全然劇の構成も違うので、密度の濃い2作品を続けてやっているような気持ちになるほど濃密な内容です。とにかくエネルギーに溢れていて、こんなにみんなが汗をかきながらドタバタ舞台裏を走り回りながら表現していることに感動してます」「やはり“井上ひさし作品”はすごい」とコメントした。
東京公演は3月28日まで。その後、4月1日から4日まで大阪・新歌舞伎座、6・7日に神奈川・横浜関内ホール 大ホール、10日に宮城・多賀城市民会館 大ホール、17・18日に愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールで上演される。
栗山民也コメント
ゲネプロを終え、家に辿り着く。いつもなら、誰かと劇場近くの飲み屋に寄り道するのだが、今はそれも叶わない。部屋で仕方なく、幸せにほてった心と体をまずはビールでクール・ダウン、先ほど終えた舞台をゆっくりと思い返す。
「日本人のへそ」を上演するのはこれで4度目だが、なんだかいつも熱く心躍る。それは、この作品に込められた、井上ひさしのいっぱいの熱い思いからだろう。それが今ひとつの言葉が舞台の上で熱く弾け飛び、旋律にのって歌になる。この荒涼とした日々の続くなか、人間にはこんなにたくさんの感情があったのだと、ただ感謝の気持ち。
“Don't be silent”という抗議の声が世界に広がっている。誰もが世界から必要とされているのだから、誰とでもしっかりと向き合いぶつかり、それを声にしていくことが必要だろう。この大きな渦のような「言葉の劇」を前に、そう思う。あぁ、ワイン、開けちゃおうか! そんな当たり前の平和な気持ちになるね、この芝居。
井上芳雄コメント
すごく面白い芝居です。
井上先生の処女作ということで、見たことはありました。
今回10年ぶりの再演ということで出演する側になりましたが、今までこんな芝居はやったことないっていう作りの芝居です。1幕と2幕で全然劇の構成も違うので、密度の濃い2作品を続けてやっているような気持ちになるほど濃密な内容です。とにかくエネルギーに溢れていて、こんなにみんなが汗をかきながらドタバタ舞台裏を走り回りながら表現していることに感動してます。劇場とか演劇とかエンターテイメントが今こういう時期だからこそ、なおさら愛しいものだと思える作品です。なにより自分がやっていて本当に楽しいです。
これからお客様が入ることで日々どんどん変化していくでしょうし、お客様に教えてもらうこともあるだろうと感じています。この作品は今やるべき作品だなと思います。
思い切りエネルギーを出すことは難しい日常ですけど、“劇場”の中にはあふれるばかりのエネルギーがあります。こういう状況ではありますが可能な限りたくさんのお客様に見ていただきたいと思います。みなさま劇場でお待ちしております。
やはり“井上ひさし作品”はすごいです。
こまつ座 第135回公演「日本人のへそ」
2021年3月6日(土)~28日(日) ※山崎薫の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
2021年4月1日(木)~4日(日)
大阪府 新歌舞伎座
2021年4月6日(火)・7日(水)
神奈川県 横浜関内ホール 大ホール
2021年4月10日(土)
宮城県 多賀城市民会館 大ホール
2021年4月17日(土)・18日(火)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
作:
演出:
出演:
ピアノ:朴勝哲
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【公演レポート】こまつ座「日本人のへそ」開幕、栗山民也・井上芳雄が本作にかける熱い思い語る(コメントあり) https://t.co/H01PxFdhfw