「フェードル」は、ギリシャ悲劇「ヒッポリュトス」をもとに17世紀フランスの劇作家ジャン・ラシーヌが創作した戯曲。2017年に大竹の主演、
開幕に際し、栗山は「とにかく、火傷しそうな芝居です」と初日を終えた感想を語ると共に、「この120分の物語を埋め尽くす、ジャン・ラシーヌの言葉の熱く激しい温度に身を任せ、その体験を楽しんでください」とコメント。大竹は「万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります」と意気込みを述べ、林は「観に来てくださる方一人一人に感謝し、大切に演じていきたいと思います」と思いを明かした。
東京公演は1月26日まで。その後、1月から2月にかけて石川、愛知、兵庫、静岡で上演される。
栗山民也コメント
とにかく、火傷しそうな芝居です。初日を終えての実感です。
この戯曲のもともとはギリシャ劇に根っこがあるので、神だの怪物だのと現在の科学からは程遠いものに縛られていますが、不可解なわたしたち人間の感情ということで言えば、その遠い昔と何も変わらず、全く同じに惑い、悩み、ぶつかり、愛し合うことを繰り返しているのです。
この120分の物語を埋め尽くす、ジャン・ラシーヌの言葉の熱く激しい温度に身を任せ、その体験を楽しんでください。
コロナの荒涼とした時代の中で、この熱いという皮膚感覚は、とても貴重で素敵なものです。人間って、なんて乱暴で繊細で、でも最後まで強く愛してしまう生き物なのでしょう。その世界の、そこにいる人間たちの限りない不条理の美しさを見つめてください。
大竹しのぶコメント
初演の時に毎回感じた大きな濁流にのみこまれるような大胆で、スリリングな2時間。またあの体験ができると思う喜びでいっぱいです。この状況の中での幕開けは、正直に言って不安でもあります。それでも来てくださるお客様の為に一回一回を、一生懸命演じるだけです。うねる様な、湧き上がるエネルギーを同じ空間で共有できたら、それが明日への活力になるのなら、劇場のあるべき意味が伝えられたという事になります。劇場は今、絶対に必要なのかと問われれば違うかもしれません。
それでも私達は幕を開ける事を選びました。
万全の対策でお待ちしていますとしか言えませんが、あとは舞台の上で必死に生きるのみです。頑張ります。
林遣都コメント
無事に幕が上がるか分からない状況の中で、初日を迎えられたことを幸せに感じます。
大竹さんが高めてくださった士気のもと、細心の注意を払いながら稽古を重ねてまいりました。
演劇の力を信じ、情熱に満ち溢れ、純粋にお芝居と向き合い続ける今回の座組の皆さんと過ごした稽古期間は、僕にとってかけがえのないものとなりました。
観に来てくださる方一人一人に感謝し、大切に演じていきたいと思います。
「フェードル」
2021年1月10日(日)~26日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2021年1月30日(土)・31日(日)
石川県 金沢市文化ホール
2021年2月6日(土)・7日(日)
愛知県 刈谷市総合文化センター
2021年2月11日(木・祝)~14日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2021年2月20日(土)・21日(日)
静岡県 三島市民文化会館 大ホール
作:ジャン・ラシーヌ
演出:
翻訳:岩切正一郎
出演:
※東京公演の1月8・9日公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。
関連記事
かりん🌏♨️ @Maki_Haru_end
“とにかく火傷しそうな芝居”、大竹しのぶ×栗山民也「#フェードル」再演幕開け - ステージナタリー
#林遣都
https://t.co/MyTvXMBIKD