劇団SET「世界中がフォーリンラブ」開幕、三宅裕司「安心して劇場に来てほしい」

劇団スーパー・エキセントリック・シアター「世界中がフォーリンラブ」が、本日10月9日に池袋・サンシャイン劇場で開幕する。それに先駆け、昨日8日に公開ゲネプロと取材会が行われた。

吉高寿男が作、三宅裕司が演出手がける本作は、純愛をテーマにした“ミュージカル・アクション・コメディー”。誰彼構わず愛してしまうウイルスが蔓延した世界を舞台に、製薬会社の重役である大塚ポカリスと、ライバル会社の社長令嬢・武田有奈の恋愛模様が描かれる。

取材会には三宅、小倉久寛に加え、今回主演を務める若手劇団員の富山バラハスと山城屋理紗が出席。三宅は「今年は感染症対策を徹底して臨んだ稽古が大変だったので、初日を迎えられること自体が非常にうれしいし、このような状況の中、会場に足を運んでくださるお客さんの姿を見たら感動すると思う。だからこそ良い舞台にしたいと思います」と意気込みを語る。小倉は「喜劇の稽古は劇団員全員で作り上げて本番を迎えるのに、今年はほとんど人がいない稽古場だった。本番はお客さんが会場に入った中で演じるので、劇団員はエネルギーを爆発させられたらいいなと思います」と思いを述べた。

初めて取材会に登壇したという入団6年目の山城屋は「入団当初から目標としていたヒロイン役をやらせていただくので一生懸命がんばりたいです」と笑顔を見せ、「会場に足を運んでお芝居を観に行くのが困難な中、来てくださるお客様と、今回劇団初の生配信をするので、画面の前のお客様にも舞台上からエネルギーを発してテーマをしっかり伝えたいです」と真摯に語った。

山城屋と同じく取材会初参加となった入団2年目の富山は「新人が主役だったということも忘れさせるくらい、いっぱい笑ってもらって、観終わったあと『明日からがんばろう』と思ってもらえるよう演じたいです」とコメント。これに対し座長の三宅は「入団2年目で主役は本当に珍しい。テーマが“純愛”でモンゴルの男性の愛に純粋に向き合う設定だったので（富山を）キャスティングしました」と、モンゴル出身の富山を主役に抜てきした理由を語った。

誰彼構わず愛してしまうウイルスという劇中の設定について、三宅は「もともと1年前に考えていたテーマはまったく違うものでしたが、このような状況になり全国民が疲れている中なのでテーマを“純愛”に変えて、爆笑ギャグの連続で最後に感動させるストーリーにしました」と経緯を話す。最後に三宅は「（劇場の）規制は緩和されるようになったが、今年のSETはソーシャルを保ち、出演者は全員立体透明マスクを着用、会場の感染症対策をしっかり行うので、お客様には安心して劇場に来ていただきたいです」と観客に呼びかけ、取材会を締めくくった。

上演時間は約2時間。公演は10月25日まで。なお17日の13:00開演回、17:00開演回にはPIA LIVE STREAMにて生配信が実施される。