舞台「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~」の製作発表の模様が、本日9月29日に東京・明治座の公式YouTubeチャンネルで生配信された。
石丸は数ある秋元の作品の中から本作を選んだ理由を「“今”に訴える、ほとばしるような恋があると思いました」と話し、「おさんと茂兵衛は恋をしたことで、隠れていた心の強さを大いに発揮し、自ら人生を選び取っていきます。そんな物語を今上演できたらあまりにも素敵だなと」とコメント。ドラマを舞台化するにあたっては舞台機構を大いに活用した場面転換を予定していると言い、石丸は「時代劇ファンの方にも初めて観る方にも楽しんでいただけると思います」と手応えを語った。
おさんを演じる檀は、コロナ禍での上演に向け「石丸さんの情熱あふれる演出のもと、皆様と七転八倒しながらお稽古できて幸せ」と喜びをのぞかせる。檀は「時代ものを演じるときにいつも思いますが、西洋、東洋を問わず、長らく女性が“個”として生きることが難しい時代が続きました。おさんも、自分を押し殺すのが当たり前の時代に生きています」と役柄を分析し、「そんな彼女が茂兵衛からまっすぐな恋心を向けられ、本当の自分を見つけたときにどう変化していくか。その強さやたくましさを伝えられたらと」と意気込みを述べた。
茂兵衛役の橋之助は「この『恋、燃ゆる。』、燃えて燃えて一生懸命務めなくてはと、私自身も燃えています」と気合十分。橋之助は新型コロナウイルス感染防止のため会食ができず、共演者と交流を深めるのが難しいことに触れて「寂しいですが、お稽古で皆さんが優しく話しかけてくださってありがたい」と笑顔を見せる。さらに橋之助は同い年の東と稽古初日から「とんちゃん(東)」「国ちゃん(橋之助)」と呼び合っていることを打ち明け、会見場を和ませた。
東は「政之助という複雑な役どころをしっかり担えるよう、がんばっています」と言葉に力を込める。今回初めて方言のセリフに挑むと言う東は、「方言に心情を乗せることに苦戦しています。アクセントを直し続けていると、頭が混乱してきて……」と苦笑を浮かべる。東が司会者のリクエストに応えて「永心様、ご隠居様、ごきげんようござります」とセリフを披露すると、石丸は満足そうにうなずいていた。
時代劇初挑戦の多田は、茂兵衛に思いを寄せる女中おたま役を担当。多田は「演出の石丸さんから声の出し方や感情の動かし方など細かく指導をいただき、ありがたい環境」と微笑み、「おたまのテーマは“燃え上がる恋心”。ひたむきに茂兵衛を思う気持ちを熱く演じたい」と意気込んだ。
誓岸寺の住職・宗林役の石倉は「マスクとフェイスシールドで相手の表情が読めず、要領を得ません(笑)。こんな状況は初めて」と稽古の苦労を語り、「明けても暮れてもコロナで騒がしい世の中ですが、この素晴らしい戯曲のもとでがんばります」と上演に期待を寄せた。
おさんの夫・永心役の西村はマスクを着けての稽古について「表情が見えないので、やりにくいったらありゃしない!(笑) しかし逆に言えば、声に頼るしかないので声の変化により敏感になれるのではと」と話し、「幕が開いてからもより良い舞台を求め、力を合わせて千秋楽まで突き進む所存です」と意欲を見せた。
永心の母・刀根役の高畑は「マスク越しでも美しい檀さんにうっとりしています(笑)」と切り出して共演者の笑いを誘う。高畑は舞台業界がいち早く新型コロナウイルスの影響を受けていたことを話題にしながら「私は、お芝居はなくてはならないものだと思います。劇場に集い、自分とは違う感想を人が持つ。“ツボ”はそれぞれ違うので、『檀さんがきれいだった』という人もいれば『高畑さんがきれいだった』という人もいるかも(笑)。それぐらい違う価値観の中で平和を保つのが、人類の使命ではないかなと。劇場でお待ちしております!」と呼びかけた。
さらに映像出演した氷川は、主題歌「恋、燃ゆる。」の感想を「歌詞にすごく共感して胸が締め付けられました。好きな人と結ばれない切なさ、ルールに縛られながらも止められない気持ちなど、とても時代に合っている曲だと思います」と述べ、「劇中でこの歌が流れるのが楽しみです」と期待を口にした。
最後に檀が「私たちのように舞台に立つ者は、お客様が劇場に足を運んでくださるからこそ存在できるのだと強く感じます。おさんと茂兵衛の命を懸けた恋物語をぜひ劇場でご覧ください」と挨拶し、製作発表は終了した。
「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~」の公演は、10月19日から11月15日まで明治座にて。
「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~」
2020年10月19日(月)~11月15日(日)
東京都 明治座
原作:秋元松代「おさんの恋」
上演台本・演出:
出演:
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