「あいちトリエンナーレ2019」で初演され、第64回岸田國士戯曲賞を受賞した本作は、エウリピデス作のギリシャ悲劇「バッコスの信女」を下敷きにした音楽劇。劇中では、原作で描かれた半神ディオニュソスと人間の王ペンテウスの対立が、牛と人間のハーフの獣人とその獣人を作り出した主婦に置き換えられ、「理性と狂乱」「秩序と混沌」「人間と野生」「男と女」といった相反するものの境界線が問い直される。
今回の上演について、市原は「一年前と比べ、世界は大きく変わり、日常生活でも、そして舞台の上でも、できないことが増えました。感染症予防やそこから派生される問題の関係で初演から少し演出を変更する必要が数か所あり、作品のクオリティを高めることの他に、作品を存在させるためにクリアしなければいけないことに頭を使いました」と振り返る。また「久しぶりに上演してみて、この作品はもう私のものではないということを確信しました」「一年前にはなかった想像力を働かせながら私はこの作品に出会い直していたように思います。社会の変化に伴って、その時々のひっかかりを持ってみることのできる豊かさ、強さを持った作品です。そのことに励まされて、いまは、この作品を上演することに喜びしかありません」と思いを語っている。
音楽はヌトミックの
「バッコスの信女―ホルスタインの雌」
2020年9月24日(木)~27日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
作・演出:
音楽:
出演:
※初出時より、上演時間を変更しました。
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【公演レポート】「バッコスの信女―ホルスタインの雌」開幕、市原「この作品を上演することに喜び」(コメントあり)
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