10月に上演されるモーツァルト / 歌劇「『フィガロの結婚』~庭師は見た!~」に向けて、総監督・指揮を務める井上道義と、演出の
井上は「6年経った! またやる! 現場で何が起こるか聴いてくれ、見てくれ。今は今しか無いのだ」と思いを述べ、野田も「私たちは、生の肉体を、肉声を、人々の前に届けてこそ、『舞台を生業とする者』と言える。それが私たちの『当たり前』なのである」とコメントしている。
「『フィガロの結婚』~庭師は見た!~」は、モーツァルト作曲のオペラ「フィガロの結婚」をもとに、井上と野田のタッグにより、2015年に制作されたオペラ。本作ではフランス革命前の時代を舞台に、貴族と庶民階級の人々の対立が織り成す人間ドラマを、舞台を黒船来航時代の日本に置き換えて送る。
なお新型コロナウイルスの影響により、当初発表されていたキャストから一部のキャストが変更となっている。公演は9月19日に神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホール、10月18日に福岡・北九州芸術劇場 大ホール、30日と11月1日に東京・東京芸術劇場 コンサートホールにて。神奈川・福岡公演のチケットは発売中、東京公演のチケットは9月26日に発売。
井上道義コメント
野田秀樹さんにこのオペラを演出していただくことは僕の長年の夢だった。 彼は、「マクベス」での経験からか「オペラは金輪際やらない!」と公言していたので本当に口説きは大変だった。その苦労のために俺は癌に なったと言うのは全く悪い冗談だが……。
しかし 2015年全国14公演は今思い出すにもチャレンジングな、生きていて良かった経験だった。彼の演出法がワークショップを繰り返し、そこからアイディアをまとめ上げる方法だと知らなかったが、自作台本を演出してきた作家とすれば、それ故、真に誰にも出来ない多角的なあの舞台が出来上がった。
6年経った! またやる!
現場で何が起こるか聴いてくれ、見てくれ。今は今しか無いのだ。
野田秀樹コメント
5年前に全国10箇所を回ったこの「フィガロの結婚」は、熊本で千秋楽を迎えた。終演後、ライトアップされていた熊本城を見ながら、私は、このまま終わるには惜しいオペラだ、再演を熊本城に誓った。それから半年後、地震で熊本城の天守閣の瓦や石垣が崩れていく映像をいたたまれない気持ちで見た。今年、その天守閣が再び人々の前に姿を見せたそうだ。その時を同じくして、この「フィガロの結婚」が人々の前に、天守閣さながら姿を現すことができることに至福の喜びを感じる。
私は、このコロナ禍で人の心と生活が、当たり前のように崩れている事を憂慮している。 当たり前のように「マスク」をして、当たり前のように「新しい生活様式」などと口走っている。いつの日か、そんなことが「当たり前ではない」ということが「当たり前」になる暮らし に一刻も早く戻りたい。それは、ほとんどの人々が同じ思いだろう。劇場もまだまだ、本来の劇場の姿には程遠い。この「フィガロの結婚」が少しでも「当たり前」に戻っていく先駆けとなればと切に願う。その願いが、この「フィガロの結婚」の歌手たちの「肉声」にのって、演者たちの「肉体」に宿って、市松模様の客席に届くと信じている。私たちは、生の肉体を、肉声を、人々の前に届けてこそ、「舞台を生業とする者」と言える。それが私たちの「当たり前」なのである。
東京芸術劇場30周年記念公演 東京芸術劇場シアターオペラvol.14 モーツァル / 歌劇「『フィガロの結婚』~庭師は見た!~」
2020年9月19日(土)
神奈川県 ミューザ川崎シンフォニーホール
2020年10月18日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 大ホール
2020年10月30日(金)、11月1日(日)
東京都 東京芸術劇場 コンサートホール
指揮・総監督:井上道義
演出:
管弦楽:響ホール室内合奏団
キャスト
アルマヴィーヴァ伯爵:ヴィタリ・ユシュマノフ
アルマヴィーヴァ伯爵夫人:ドルニオク綾乃
スザ女(スザンナ):小林沙羅
フィガ郎(フィガロ):大山大輔
ケルビーノ:村松稔之
マルチェ里奈(マルチェリーナ):森山京子
バルト郎(ドン・バルトロ):三戸大久
走り男(バジリオ):黒田大介
狂っちゃ男(クルツィオ):三浦大喜
バルバ里奈(バルバリーナ):コロンえりか
庭師アント二男(アントニオ):
花娘:藤井玲南、中川郁文
声楽アンサンブル:藤井玲南、中川郁文、増田弓、新後閑大介、平本英一、東玄彦 ほか
演劇アンサンブル:
サービィ @sappiy0615
https://t.co/d6yfU7Gj6X
和洋折衷、ソーシャルディスタンスを使って、オペラ上演。
無観客は、周りの様子、舞台構造や、
音楽、衣装も分かるから、様々なパフォーマンスアートで触れてみたいです。#無観客
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