脚本を
再々演となる今回の上演版には、過去公演にも出演した
3度目の上演に際し、稲垣は「記念すべき年に、舞台『No.9 ー不滅の旋律ー』を上演し、回を重ねてルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという天才音楽家を演じられることを、非常に嬉しく思います」と喜びを語ると共に、「この厳しい状況下だからこそ僕は『No.9』を、一人でも多くの方に届けたいと思うのです」と胸の内を明かす。演出を手がける白井は「この公演を実現することで皆さんと、この物語を共有するという喜びを、改めて分かち合いたいと思っています」と思いを語った。
稲垣吾郎コメント
2020年はベートーヴェン生誕250周年。その記念すべき年に、舞台「No.9 ー不滅の旋律ー」を上演し、回を重ねてルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという天才音楽家を演じられることを、非常に嬉しく思います。
2015年の初演時は、これまで演じたどの役とも違う圧倒的な存在感や強烈な個性に戸惑い、悩ましい時間を過ごしました。けれど演出の白井晃さんをはじめ、共演の皆さんがしっかりと支えて下さる中、徐々にベートーヴェンと僕との距離は縮まっていったのです。結果、自分なりのベートーヴェン像が、回を追うごとに確かなものになっていったように思います。
俳優の仕事には、その時の自分が役に影響を及ぼすドキュメンタリー的な部分がある。自分の「今」をオリジナル作品で、しかも偉大な音楽家に託して表現する機会もくださった制作の方々には感謝しかありません。
実は今回、ベートーヴェンが活躍したオーストリアの首都ウィーンでの公演も予定していました。場所はベートーヴェン没後に建てられた、当時の栄華を残す「フォルクス劇場」です。けれど、その素晴らしい企画は世界を覆う新型コロナウイルスの脅威により、断念することになりました。加えて国内での創作・上演も、これまで以上に注意を払い、万全の感染予防対策を行ったうえで進めねばなりません。
でも、この厳しい状況下だからこそ僕は「No.9」を、一人でも多くの方に届けたいと思うのです。劇中終盤の交響曲第九番、その中で力強く歌い上げられる「歓喜の歌」は作品の白眉であり、世界の平和と幸福を願い、自身の孤独をも昇華しようという作曲家の大いなる祈りが込められています。まさに現状に苦しむ人々に、届けるべき調べと言葉がそこにあるのです。
だからこそ迷いなく創作を深め、僕が愛してやまない人間ベートーヴェンを再び舞台で生きることは大きな使命。
その先には、再びの「夢」に手が届く日も来るはずです。さらなる未来へと続くこの上演を、多くの方に見届けていただきたいと思います。
白井晃コメント
この歓喜のドラマは、生きることへの讃歌です。苦しみの中からひと掴みの喜びを見出す物語です。
今、演劇は大変厳しい状況に直面しています。再再演の機会に恵まれ、11月にはベートーヴェンの活動拠点だったウィーンでの公演が決まっていました。日本で生まれたベートーヴェンの物語を本場で披露することを楽しみにしてきましたが、残念ながらこのチャンスは未来に持ち越されることになりました。
私たちの心は、今、見えない恐怖の前に萎縮してしまっています。しかし、本来、私たちの営みは、生きる意味を見出し、それぞれの喜びを得るためにあるはずです。ですから、私たちは立ち停まることなく前に向けて進む道を選びました。
この公演を実現することで皆さんと、この物語を共有するという喜びを、改めて分かち合いたいと思っています。
木下グループ presents「No.9 ー不滅の旋律ー」
2020年12月13日(日)~2021年1月7日(木)
東京都 TBS赤坂ACTシアター
脚本:
演出:
音楽監督:三宅純
キャスト
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:
マリア・シュタイン:
ヨハン・ネポムク・メルツェル:
ナネッテ・シュタイン・シュトライヒャー:
ニコラウス・ヨーハン・ベートーヴェン:
ヨハン・アンドレアス・シュトライヒャー:
フリッツ・サイデル:
カスパール・アント・カール・ベートーヴェン:
ヨハンナ:
カール・ヴァン・ベートーヴェン(青年):
兵士ほか:
カール・ヴァン・ベートーヴェン(少年):
ヨゼフィーネ・フォン・ブルンスヴィグ:
ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン / ステファン・ラヴィック:
ヴィクトル・ヴァン・ハスラー:
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