「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」が、昨日7月18日に東京・Bunkamura シアターコクーンで開幕した。
「真夜中のパーティー」のタイトルで知られる本作は、1968年にオフブロードウェイで初演された作品。初演から50年を迎えた2018年にはブロードウェイでリバイバル上演が行われ、第73回トニー賞の演劇リバイバル作品賞に輝いた。日本では故・青井陽治の翻訳・演出で1983年に初演されて以来上演が重ねられ、今回は
開幕を前に、白井と主演を務める
安田は自身が演じるマイケルについて「演じるからには、その人物を愛したいのですが、マイケルに関して並べる言葉は、実はマイナスな部分が多かったんです。孤独で、雄弁で、傍観者で、自分が傷付きたくないから人を傷付けてしまう。でも、なんだか憎めない人だなと。この人間臭いところが共感できるところであり、不思議と愛せるところでもありました」と思いを述べる。
インタビュアーから、ソーシャルディスタンスを意識した演出的な配慮について尋ねられた白井は「キスなどの行為はなしにしました。また、ハグも顔を離しての軽めのものにしたり、対面の演技の場合、できる限り向き合う時間をなくすように心がけています。また、パーティーシーンでの食事はすべてフェイクで、タバコなども火は使わず、口にはつけずに食べたり吸ったりしているように見える形で演技をしてもらっています。さらに、舞台美術を通常より舞台面奥に設定し、観客席との距離を取るように図っています」と工夫した点について語った。
最後に白井は「50年前、LGBTを扱った作品としては画期的なものだった本作は、社会の中でマイノリティとされた人々の苦しみと悲しみに満ちています。誰がマイノリティになるかは、その線引き次第でいつでも変化します。安田さん演じる主人公の切なさを、自分たちの問題として考えていただけたらと思います。まったく個性の異なる9人の男優たちによる、舞台上での化学反応を楽しんでいただけたら」と観客にメッセージを送り、安田は「お客様には、役者同士のぶつかり合いの芝居の中で出てくるエネルギーや思いを生で感じていただければと思います」と取材を締めくくった。
上演時間は休憩なしの約2時間を予定。Bunkamura シアターコクーン公演は7月28日まで行われ、本作はその後、宮城、北海道、大阪を巡演。8月27日から30日にかけては東京・なかのZERO 大ホールで東京凱旋公演が行われる。本作の新型コロナウイルス感染予防および拡大防止への取り組みについては公演の公式サイトで確認を。
「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」
2020年7月18日(土)~28日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2020年8月8日(土)・9日(日)
宮城県 東京エレクトロンホール宮城
2020年8月15日(土)・16日(日)
北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
2020年8月21日(金)~23日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2020年8月27日(木)~30日(日)
東京都 なかのZERO 大ホール
原作:マート・クローリー
演出・上演台本:
出演:
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