これは、東京・歌舞伎座ギャラリーで定期的に行われていたトークイベント「歌舞伎夜話」の“特別編”として、幸四郎がビデオ通話によってゲストと対談する生配信企画。第1回には、ゲストとして
配信時間は約45分を予定しており、チケットの販売は5月19日にイープラスにてスタート。
松本幸四郎コメント
いずれもさま、ご無沙汰いたしております。松本幸四郎です。
久方ぶりに皆様にお目にかかれることになりました。
zoom対談です。
歌舞伎座にある歌舞伎ギャラリーでは、「歌舞伎夜話」という定期的に歌舞伎役者さんのトークショーが開催されていますが、そのzoom版とでも言いましょうか。
「歌舞伎“家”話」と題しまして、zoomを通して僕の部屋へゲストをお呼びし、トークをする番組です。
3月にyoutube配信用に撮影するために無観客の歌舞伎座で演じて以来、またひと月の舞台としては1月の大阪松竹座の千穐楽を1月27日に終えて以来、約4ヶ月舞台に立っていません。これは、自分としては数十年ぶりのことで戸惑いと不安を感じていますが、この事態が収束に向かうためにするべきことだと自分に言い聞かせながら過ごしています。1日も早く明るい道が見えてくることを願っています。
多くの人でひとつの作品を作り上げ、多くの人にひとつところ集まり観ていただく。
このふたつの集まりが、一期一会の大きなひとつが生まれる。
これがお芝居ではありますが、集まる場所、つまり劇場がなければ役者は何もできないのでしょうか。また豊かな環境、平和な生活でなければ娯楽、芸能、歌舞伎は存在できないのでしょうか。
先日ニュースで戦後直後の前橋で曽祖父の七代目幸四郎が歌舞伎を上演した映像を見ました。荒れ果てた土地にある舞台で数千人のお客様が集まり、舞台を観られている映像でした。豊かで平和なことは望むことではありますが、不安、恐怖を感じながら生活をされる方々に同じ思いを持ちながら歌舞伎を演じる曽祖父たちがいたからこそ、歌舞伎が現在も存在し、僕らは歌舞伎が演じられていると感じました。そして、あのような時に歌舞伎が必要とされていたとも思いました。
人と常に寄り添っていられる存在であるべく歌舞伎を生かせ続けたいと強く思っています。
誰も集まらずにひとつの作品を作り上げ、誰も集めずに多くの人に観ていただく。
これを形にすることが自分の今やるべきことだと行動を起こしました。
「歌舞伎“家”話」を通して、歌舞伎、演劇など娯楽を楽しむお時間にしていただければと思っています。
「凄艶」―すごつや―という言葉を自分のテーマにしました。
歌舞伎に生まれ、歌舞伎で育ち、歌舞伎を生業とする僕が、色彩豊かで、ファンタジーで、人間味溢れる歌舞伎のように“凄く艶やかなお話”ができればと思っています。
是非とも多くの方々に観ていただくことを願っています。
よろしくお願いいたします。
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抱月/イッパイアッテナ @garyu_oboro
松本幸四郎が自宅から“凄艶”をお届け!「歌舞伎家話」第1回ゲストは尾上松也(コメントあり) https://t.co/FvRoVJZTjb