「真夜中のパーティー」のタイトルで知られる本作は、1968年にオフブロードウェイで初めて披露された作品。初演50年を迎えた2018年にはブロードウェイでリバイバル上演が行われ、第73回トニー賞の演劇リバイバル作品賞に輝いた。日本では故・青井陽治の翻訳・演出で1983年に初演されて以来、たびたび上演が重ねられている。舞台は真夏のニューヨーク。マイケルのアパートでは、ゲイ仲間のハロルドの誕生日を祝う準備が進められていて……。
製作発表会には安田をはじめとしたキャスト陣と演出・上演台本を手がける
マイケル役の安田は、今作で初めて白井の演出を受けることに触れ、「白井さんはお稽古が大好きな先輩だと伺っておりますので、ビシビシとご指導いただければと思います」と白井に視線を向けつつ、「我々が生きている社会に対し、人間の心の奥底に流れているものがなんなのか?ということをお客様と一緒に考えていけたら」と宣言した。
マイケルの恋人ドナルド役の
男娼のカウボーイ役を演じる
アフリカ系米国人のバーナード役を演じる
パーティー参加者の中で唯一のストレートであるアラン役を演じる
記者から、“男性に惚れた”エピソードについて問われると、川久保は「以前、舞台でご一緒した安田顕さんに惚れたことがあります。芝居に対してストイックで、準備やトレーニング、セリフの入れ方、すべてズバ抜けていました。でも、ちょっとお酒が入るとだらしなくて(笑)、『どうしようもないなあ』と思える隙を作ってくれる先輩。こんな男になりたいです!」とエピソードを明かす。すると鈴木も同調し「一緒にお酒を飲んでるときに『もう1杯いいですか?』って聞くと、絶対『ノー』と言わない安田さんは器が大きい。来世では結婚しようかなと思います」と真顔でジョークを飛ばすと、対する安田は「同じ墓に入ってください……」と、ぼそりとつぶやいた。
さらに大谷が「鈴木浩介さんとドラマでご一緒したとき、次の日が撮影という日に深酒をしてしまって。浩介さんは直前まで休まれていたのに、本番はバシッと決めるんです。そのオン・オフの切り替えに惚れましたね」と回想すると、安田はすかさず「白井さん、(この現場では)禁酒にしましょう!」と提案し、会場を大きな笑いで包んだ。
白井は「稽古中は禁酒にしようと思いますが、劇中ではパーティーでお酒を飲んでいるので、その辺の調整をうまくできれば(笑)」と微笑み、「今回は稽古でやってみないとわからないことがいっぱいある。台本にそれぞれの人物像は書かれていますが、今回のキャストたちは個性が溢れているので、この9人ならではの役柄を掘り出してもらって、1度文脈とは別の形で演じてもらったら面白くなるかもと思いました」とアイデアを口にした。
最後に白井は作品について「50年前はゲイ社会のことが表に出されたことで反響を呼んだ作品だと思います。時代が移り変わる中で、エイズやLGBTのことも世間に知られるようになり、『共生していこう』という社会に変わりつつある。ですが、人間の心の中には、自分を守りたいという本能があって、根本はあまり変わっていないんじゃないかと思っています」と分析し、「パーティー会場で9人の人間関係がうねっていくお芝居ですが、見せたいのはその外の社会。登場人物の多くはゲイであることに悩みを持っていますが、視点を変えれば、同様の苦悩が僕たちの中にもあるんじゃないかと思います」と語り、製作発表会を締めくくった。
本作は7月18日から28日までの東京・Bunkamura シアターコクーン公演を皮切りに、宮城、北海道、大阪で上演され、8月27日から30日まで東京・なかのZERO 大ホールにて東京凱旋公演が実施される。チケットの公式サイト先行販売は2月29日から3月8日まで受け付けられ、一般販売は4月4日にスタート。
「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」
2020年7月18日(土)~28日(火)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
2020年8月8日(土)・9日(日)
宮城県 東京エレクトロンホール宮城
2020年8月15日(土)・16日(日)
北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
2020年8月21日(金)~23日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2020年8月27日(木)~30日(日)
東京都 なかのZERO 大ホール
原作:マート・クローリー
翻訳:北丸雄二
演出・上演台本:
出演:
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【会見レポート】白井晃演出「ボーイズ・イン・ザ・バンド」に安田顕「禁酒にしましょう!」 https://t.co/FfipZQ0osR