舞台「憂国のモリアーティ」が、昨日1月10日に東京・EX THEATER ROPPONGIで開幕。それに先駆け、囲み取材と公開ゲネプロが行われた。
同名マンガが原作の舞台「憂国のモリアーティ」は、コナン・ドイル著「シャーロック・シリーズ」におけるシャーロック・ホームズの最大の敵、モリアーティを主人公にした物語。囲み取材には、
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ役の荒牧は、「『憂国のモリアーティ』は、ミュージカル版のあと、アニメ、舞台と続き、今後も盛り上がっていく作品だと感じています。僕自身、進化を見守っていきたい」と語る。モリアーティ家の長男アルバートを演じる瀬戸は、「だいたいマッキー(荒牧)が言ってくれた通りです」と笑顔を見せ、「この作品は人の価値観の深層に迫っているので、自分の価値観と照らし合わせて観ると面白いのでは。兄弟チーム、ホームズチームの2つの違う空気感が混じり合ったときの緊張感を味わってほしいです」とコメントした。また、ウィリアムの弟ルイスに扮する糸川は、「舞台版として何をお客様に届けられるのか、悩みながら稽古に励んできました。完成した作品には、舞台にしかない魅力がたくさん詰まっていると思う」と心境を明かす。
一方、シャーロックの相棒ジョン・H・ワトソン役の松井は、劇中では暗く事件性の高い話が展開するとし、その中で「ワトソンは一番明るいキャラクター。彼の存在意義をしっかりとお届けしたい」と意気込んだ。モリアーティが引き起こす犯罪に迫るシャーロック役の北村は「演出が
荒牧が、稽古場では「ルイス役の耀士郎がいじられキャラになっていた」と話すと、それを受けて糸川が「僕をいじれば誰でも笑いが取れるような雰囲気になってましたね」とコメント。すると周囲からブーイングが起き、「(自分のことを)おもちゃにしてたくせに!」と糸川が冗談混じりに反発して笑いを巻き起こした。最後に荒牧が舞台の見どころを「役者の演技のほかに、パネルを使った装置、照明、音楽などが一体となってステージを動かしています。視覚的にも内容的にもハラハラドキドキさせるものになっているので、たくさん楽しんでいただけたら」と語り、作風とは異なる和やかな雰囲気の中で取材は終了した。
囲み取材のあと、ゲネプロが行われた。モリアーティ家に迎え入れられたウィリアムとルイスは、アルバートと共に階級社会を変えることを誓い、横暴な貴族や、女性をおとしめた悪い男たちに、残忍とも言える制裁を加えていく。また、事件を追うシャーロックらが登場すると、さまざまな立場に身を置く登場人物たちの思惑が一層交錯する。その様子を表すかのように、大掛かりなセットが舞台上を右往左往し、俳優たちが織り成す繊細な心理描写にエネルギーとダイナミックさを加えた。
主演の荒牧は、穏やかな声色の中に知性と狂気を感じさせる演技で主人公を好演。瀬戸はアルバートの大人らしい落ち着きぶりに、含みを持たせた表現で存在感を光らせた。一方、糸川は2人の兄からのけ者にされていると感じるルイスの葛藤を巧みに表出し、緩急ある芝居で魅せる。また、ワトソンの明朗さを子犬的な愛くるしさと共に立体化した松井は、北村との掛け合いで笑いを誘う場面も。対する北村は機敏な動きでステージ上を駆け回り、シャーロックを好奇心旺盛でヤンチャさも感じさせる名探偵として熱量高く立ち上げた。
そのほか、確かな演技力で舞台を支えたモラン役の
上演時間は休憩ありの約2時間45分。東京公演は1月19日まで。そのあと、1月31日から2月2日まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。
舞台「憂国のモリアーティ」
2020年1月10日(金)~19日(日)
東京都 EX THEATER ROPPONGI
2020年1月31日(金)~2月2日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
原作:竹内良輔(構成)、
脚本・演出:
キャスト
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ:
アルバート・ジェームズ・モリアーティ:
ルイス・ジェームズ・モリアーティ:
セバスチャン・モラン:
フレッド・ポーロック:
ジョン・H・ワトソン:
ミス・ハドソン:
アイリーン・アドラー:
マイクロフト・ホームズ:
シャーロック・ホームズ:
ほか
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きっか @KTKing14
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