1・2月に京都・南座で上演される「イマーシブシアター『サクラヒメ』 ~『桜姫東文章』より~」の製作発表が、本日12月19日に東京都内で実施された。
イマーシブシアターは、ニューヨークで話題となった体験型演劇。
会見には脚本・演出・振付のDAZZLEより飯塚浩一郎、出演者よりサクラヒメ役の
和の演出とストリートダンスが融合する本作について安孫子副社長は、歌舞伎の創始者と言われる出雲阿国を挙げながら「彼女は今で言うストリートダンスをしていたと言える。ストリートダンスを取り入れた『サクラヒメ』はある種の原点回帰となり、演劇の新たな出発点になるのでは」と思いを口にした。
飯塚は「伝統的な演目が多いブロードウェイにも、『グレート・コメット』のようにイマーシブシアターの要素を取り入れた作品が出てきている」と紹介し、「今は“鑑賞”から“体験”へ、という流れがある。『サクラヒメ』では、1階の観客は回遊しながら観たいものを選び、2・3階の観客は物語の結末を投票で決めます。新しい体験を提供できるのでは」と期待を煽る。また飯塚により現時点での構想の一部も明かされ、海外からの観客を想定してセリフを極力減らすこと、投票は観客が5人の男性のイメージカラーの札を挙げることで集計されることなどが語られた。
宝塚歌劇団を今年退団した純矢は「日本舞踊が好きなので、踊るのが楽しみ。三味線、洋舞もあるそうで、和と洋の融合が魅力的だと思いました」と期待を寄せる。本作が退団後の初舞台となることについては「どのように新しい自分をお見せできるか、私自身も模索中」と言い、「5人の男性に思いを寄せられる幸せなお役です(笑)。結末が投票で変わりますので、お客様にも何度もお楽しみいただけると思います」と笑顔で話した。
陰陽師役の川原は「歴史ある南座に立てることをうれしく思います。2・3階でもタップダンスを披露して、お客様を魅了したい」と意気込みを述べる。川原は初のイマーシブシアターへの参加に向けて「誰が選ばれるかというドキドキはありますが、投票していただけるように全力でパフォーマンスしたい」と言葉に力を込めた。
荒木は自身が小劇場出身であることに触れつつ、今年4月に京都を訪れた際、祇園白川で桜を見たあとに南座のそばを通ったと言い、「『この劇場に立てたら最高だな』と思ったので、お話をいただいて驚きました。皆さん、夢は叶います! 来年もいい年にしましょう(笑)」とコメントし、会見場を笑いで包んだ。
EXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBEで活動する世界は、「普段パフォーマンスするときは、ステージと客席がはっきり分かれていることがほとんど。今回は舞台と客席の垣根がないので、全員で『サクラヒメ』を作れるのが楽しみです」と期待を口にする。投票権を持つ2・3階の観客にどうアピールするか尋ねられると、「どうしましょう、『Choo Choo TRAIN』を踊るわけにいかないし……でも、もしかしたらそういう演出もあるかもしれませんね!」と回答し、記者たちの笑いを誘った。
初めて演劇の舞台に立つという平野は、不安をのぞかせながらも「僕は新体操を約10年間続けてきました。表現力、アクロバットを舞台に生かせたら」と力強く語る。2・3階の観客へのアピールについては「2階席の方の目線に届くくらい、1階から高く跳びたいと思います!」と気合十分に話した。
ストリートダンスを得意とするToyotakaは「日本人としてのパフォーマンスが何かできないかと、三味線の音をサンプリングした曲でショーを作ったこともあります。歴史ある南座に立ててうれしい」と喜びを語る。町医者役を演じることについては「『こんな町医者なら通いたい!』と思ってほしい(笑)」「道端でいろいろな方向に向けてダンスしてきた経験を生かし、2・3階のお客様にも全方向に向けて“大爆発”できたら」と目標を掲げた。
DAZZLE所属の高田は盗賊役を担当。「そうそうたる共演者の方々とご一緒しますが、最もイマーシブシアターを経験している僕が、皆さんを引っ張れたら」と抱負を述べ、「僕は投票される5人には含まれませんが、選ばれるようがんばります(笑)。いろいろなものを“盗”みたい」と茶目っ気たっぷりにコメント。雲上の導者役で歌手でもある新里は「“雲上”というくらいなので、2・3階にいることが多そう。歌唱披露にも注目して」と期待を煽り、「僕も本来選ばれることはないですが、何かの間違いで投票してもらえれば」と笑いを交えて述べた。
会見では劇中で観客が投票を行うことにちなみ、フォトセッションで出演者たちがとるポーズが、記者の投票で決定される場面もあった。報道陣は川原、荒木、世界、平野、Toyotakaがそれぞれ考案したポーズに、事前に配布された色札を挙げて投票。世界が提案した、あごに手を当てるポーズに決まると笑いと拍手が起きた。
公演は1月24日から2月4日まで南座にて。なお本作の振付は尾上菊之丞が手がける。
「イマーシブシアター『サクラヒメ』 ~『桜姫東文章』より~」
2020年1月24日(金)~2月4日(火)
京都府 南座
脚本・演出・振付:
キャスト
サクラヒメ:
陰陽師:
浪人:
義賊:
鳶:
町医者:
盗賊:高田秀文
雲上の導者:
アンサンブル:青木仁美、新井菜央、伊東芽衣、加藤花奈、河合国広、佐藤航、澤村佳子、鈴木麻衣子、野村采可、前田怜奈、増田美咲、村松久瑠美、本橋侑季、吉澤光雄、吉浜あずさ / 坂東はつ花、若柳弥天、藤間京之助、花柳寿紗保美、泉秀彩霞、藤間倭玖河、泉葵三照、香翔なおと
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【会見レポート】回遊や投票で新しい体験を、南座「サクラヒメ」に純矢ちとせら意気込み(写真20枚) https://t.co/H34td4WHof