「メアリ・スチュアート」の制作発表会が、本日12月10日に東京都内で行われ、演出の
「メアリ・スチュアート」は、ドイツの劇作家フリードリヒ・シラーによる群像史劇。16世紀末、イングランド北部に幽閉されていたスコットランド女王メアリ・スチュアートと、イングランド女王エリザベス1世を軸に、2人の対立と彼女たちを取り巻く人々の人間模様が描かれる。
演出を手がける森新太郎は、「ハーベスト」「The Big Fellah ビッグ・フェラー」「管理人」「The Silver Tassie 銀杯」に続き、世田谷パブリックシアターと5度目のタッグを組む。戯曲の推薦者でもある森は、「かつて(戯曲を)演劇集団 円の書庫で借りて、そのまま猫ババしまして(笑)。久しぶりに読み返したら、なんてすごい戯曲だろうと。とにかくこれは今の日本の話じゃないかと驚愕しまして、世田谷パブリックシアターに『これがやりたい』とすぐ電話しました」と明かす。また「権力を持った政治家たちの右往左往ぶりがリアルで、2人の女王の間で立ち回る男たちの必死さや、本当は互いを一番わかり合える立場にいながら、わかり合えない(女王たちの)皮肉は、現代にも通じる話」と作品の魅力を語り、「僕が“やりたい”一心で選んだ脚本なので、喜びと共に覚悟を持って挑みたい」と意気込んだ。
タイトルロールを担う長谷川は、「『熱海殺人事件』NEXT~くわえ煙草伝兵衛操作日誌」以来、9年ぶりの舞台出演となる。「大役をいただいて、背筋が伸びる思いです。この作品は人間関係が面白くて、掘れば掘るほど2人の女王と周りの男たちが滑稽に見えたり、権力に対して男の人たちが目を光らせて動いている様は、現代とまったく変わりません。実は女王2人が一番男前なのでは(笑)」と分析。さらに「きちんとしたカッコいいメアリ・スチュアートになりたいです」と決意を見せた。
続いて、メアリと対峙する女王エリザベスを演じるシルビアが、「あまりのセリフの多さに怯えています。覚えていかなきゃいけないんだなあって……」と心情を吐露すると、彼女と共演経験のある隣席の三浦がニコニコ顔に。その様子を見て、「三浦くんもほほ笑んでいますけど(笑)、ミュージカルやコメディー作品への出演が多い中、ストレートプレイでこの役を演じきれるのか不安ですが、覚悟を決めて」と意欲をのぞかせた。
メアリとエリザベスから寵愛される色男レスター伯ロバート・ダドリーを演じる吉田は、「映画『
また、純粋さゆえに狂気をはらんでいく青年サー・エドワード・モーティマー役の三浦は、「3日間の稽古の中で、すでに心が折れかけています」と告白。「膨大なセリフ量、歴史ある作品に出演させていただくことに感謝しています。森さんと先輩たちのご指導のもと、僕なりのモーティマーを演じられれば」と言葉に力を込めた。
「新たな挑戦だと思っています」と語るのは、メアリの乳母ハンナ・ケネディ役の鷲尾。鷲尾は、「ハンナを含め、登場するのは、自分のことしか考えない人ばかり。身勝手な男ばかりの中で、私のテーマはメアリをいかに愛せるかだと思っています」と力強く発言。エリザベスの片腕バーリー役の山崎は、自身の役について「すごく嫌なやつなんですよ(笑)。冷酷で、メアリーを追い詰めていく存在。嫌だなあと思っていたけれど、森さんから日本の政治によく似ていると聞いて、ほくそ笑んでいるところです。とことんいじめ抜いて、嫌われたい」と語り、会場を沸かせた。
最後に、シュローズベリー伯タルボット役の藤木は、「スリル、スピード、サスペンス、もっと言えばワクワクドキドキ。それが、お客さんがまず感じることじゃないかと思います。さらにそれをどんなふうに耕してお稽古を積んでいけるか、森船長に託して参ります」と締めくくった。
「メアリ・スチュアート」は、1月27日から2月16日まで東京・世田谷パブリックシアターで上演される。
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「メアリ・スチュアート」
2020年1月27日(月)~2月16日(日)
東京都 世田谷パブリックシアター
作:フリードリヒ・シラー
上演台本:スティーブン・スペンダー
翻訳:安西徹雄
演出:
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☆みひろ☆ @happiness_ryon
長谷川京子「メアリ・スチュアート」で美貌の女王に、「大役をいただいた」 https://t.co/yGmJJFnWYU