新作歌舞伎「
ナウシカが怒り狂った王蟲の群れを鎮めるまでが描かれる序幕は、
ナウシカの衣服が王蟲の体液で青く染まるさまは引き抜きで、ナウシカと王蟲が心を通わせる様子は踊りで表現されるなど、印象的なシーンが歌舞伎ならではの演出で描き出される。劇中では映画版のいくつかの楽曲が和楽器で演奏され、“ラン ラン ランララ ラン ラン ラン”のフレーズで知られる「王蟲との交流」も使用される。また出演者たちは歌舞伎の世界観に合わせた、歯切れのよい七五調のセリフ回しで聞かせるが、語り口は現代口語に近く、「ペジテ」「ガンシップ」「バカガラス」といった固有名詞はそのまま使われた。
また黒衣が操るキツネリス・テトのかわいらしい仕草や、
初日に際し、菊之助と七之助からのコメントも到着。菊之助は「魅力的な登場人物や壮大な世界観を、古典歌舞伎で表現したらどのような舞台ができあがるのか。試行錯誤の連続ではありましたが、古典の力を信じ、精一杯勤めますので、よろしくお願いいたします」とメッセージを送り、七之助も「立廻りや大仕掛けもたくさん盛り込まれていますが、なにより深いところで『いいな』と感じていただけるような作品になっていると思います」とコメントしている。
公演は12月25日まで。なお既報の通り本作は映画館でのディレイビューイングが決定しており、昼の部を収録した“前編”が2月14日から20日まで、夜の部を収録した“後編”が28日から3月5日まで、それぞれ1週間限定で公開される。
尾上菊之助コメント
大好きな「風の谷のナウシカ」を歌舞伎にしたいと思い立ったのは、いまから五年前のことでした。五年越しの夢が結実し、いよいよ明日初日の幕が開きます。魅力的な登場人物や壮大な世界観を、古典歌舞伎で表現したらどのような舞台ができあがるのか。試行錯誤の連続ではありましたが、古典の力を信じ、精一杯勤めますので、よろしくお願いいたします。
中村七之助コメント
あの名作漫画「風の谷のナウシカ」を歌舞伎にするという大きな挑戦に、菊之助のお兄さんをはじめ一座で取り組んでまいりました。立廻りや大仕掛けもたくさん盛り込まれていますが、なにより深いところで「いいな」と感じていただけるような作品になっていると思います。クシャナという女性の葛藤を大切に演じていきたいです。そして私たちの愛している歌舞伎を観ていただき、楽しんでいただけるように力を合わせて勤めますので、どうぞお楽しみにご覧ください。
新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」
2019年12月6日(金)~25日(水)
東京都 新橋演舞場
原作:
脚本:丹羽圭子、戸部和久
演出:
出演
ナウシカ:
クシャナ:
ユパ:
セルム / 墓の主の精:
ミラルパ / ナムリス:
アスベル / オーマの精:
道化:
ケチャ:
第三皇子 / 神官:
ミト / トルメキアの将軍:
上人:
クロトワ:
ジル:
城ババ:
チャルカ:
マニ族僧正:
ヴ王:
ほか
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【公演レポート】菊之助が“青き衣”を纏って演舞場を飛ぶ、歌舞伎「風の谷のナウシカ」開幕(コメントあり) https://t.co/Sivad7Njy8