明日11月9日に、
「カリギュラ」は、フランスのアルベール・カミュが作を手がけ、1945年に初演された作品。今回の上演版では
本日のフォトコールで公開されたのは、物語終盤の約20分間。カリギュラが「芸術」と称してめちゃくちゃな踊りを貴族に披露し、その感想を無理強いしたあとのシーンが演じられた。カリギュラを愛する年上の女性・セゾニアは、カリギュラの体調が悪いことを貴族たちに伝えつつ、「今日はカリギュラの思い付きで“芸術の日”とする」と申し渡す。そしてカリギュラを前に、詩のコンクールが行われ……。
大理石のような質感の白い舞台は奥から手前へと傾斜が付けられ、ステージ前方は三角形に尖って客席へと張り出している。その上には牙のような形の装置が奥から手前にかけて舞台左右に4本ずつそびえ立ち、金や銀に鈍くきらめく。硬質な印象の舞台美術に対して登場人物たちは、ローマ帝国の装束を連想させる、たっぷりとしたデザインの布の衣装を身に着けていた。
周囲の貴族たちがくすんだグレーやベージュの衣装を纏う中、菅田演じるカリギュラは真紅のローブを引きずって姿を現す。菅田は薄い眉の下で黒いアイラインに囲まれた目をぎらぎらと光らせ、簡単に人の命を奪うカリギュラの冷酷さを表現。その一方、
フォトコール後に実施された囲み取材には、菅田、高杉、秋山が出席。菅田は“暴君”カリギュラに共感するところがあったと言い、「誰しもイラッとすることがあると思いますが、その気持ちを消化しようとするとき僕たちは平和な選択肢を選びます。カリギュラは非情な手段を選んでしまいますが、彼が抱いてしまうマイナスな気持ちはよくわかる」と胸の内を語る。また「カリギュラという人には暴君、殺人者といったイメージがあると思いますが、今回の作品はぜひ日常生活の延長線上にあるような感覚で観ていただけたら」と本作をアピールした。
さらに稽古場でのエピソードを尋ねられた菅田は、「思いつめた顔で台本を読むまっひー(高杉)にちょっかいを出して、リアクションを見るのが癒やしでした(笑)」と高杉のモノマネを披露し、共演者や記者を和ませた。
共演者の印象を問われた高杉は、ひさしぶりの共演だという菅田に視線を送りながら「相変わらず迫力があるというか……オーラがありますね(笑)」とコメントし、秋山については「こういう言い方をしていいのかわかりませんが、とてもかわいらしい方です」と笑顔で話す。秋山は高杉のコメントに目を細めながら、「若い2人のパワーをもらって、ありがたいです(笑)。菅田さんは変幻自在の演技が素晴らしいですし、高杉さんは一見かわいらしいけど芯があって、とても頼もしいですね」と2人を称賛した。
公演は11月24日まで東京・新国立劇場 中劇場、29日から12月1日まで福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、5日から8日まで兵庫・神戸国際会館 こくさいホール、13日から15日まで宮城・仙台銀行ホール イズミティ21 大ホールにて。
「カリギュラ」
2019年11月9日(土)~24日(日)
東京都 新国立劇場 中劇場
2019年11月29日(金)~12月1日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2019年12月5日(木)~8日(日)
兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2019年12月13日(金)~15日(日)
宮城県 仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール
作:アルベール・カミュ
翻訳:岩切正一郎
演出:
出演:
※高草量平の「高」ははしご高、峰崎亮介の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。
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“フォトコールで公開されたのは、物語終盤の約20分間“
20分でもこの濃厚さ…!!