「ある晴れた日に」は、青春五月党主宰・
本作の上演にあたり柳は、「『ある晴れた日に』は、三つの場所で上演する。小高(福島県南相馬市)、仙台(宮城県)、盛岡(岩手県)で、それぞれ異なる三つのラストシーンを用意する。主人公の女は、現在に留まるのか、過去に引き戻されるのか、時間の彼方に飛び出すのかーー」とコメントしている。
公演は10月30日から11月2日まで福島・La MaMa ODAKA、4日に岩手・盛岡劇場、6日と7日に宮城・せんだい演劇工房10-BOX box-1にて。チケットの販売は9月28日にスタートする。
※初出時より本文を変更しました。柳美里コメント
大きな喪失に直面すると、わたしたちの時間は流れを変える。カレンダーのような枠組みも、時計の秒針のような規則正しいリズムも、一瞬のうちに消え去り、わたしたちは、どのように時間を過ごせばいいのか途方に暮れる。
東日本大震災の地震・津波、原発事故で、掛け替えのないものを失った時のことを、「まるで、昨日のことのようだ」と語る人もいれば、「なんだか夢を見ているような気がする。本当に起きたことだなんて信じられない」と語る人もいる。2011年3月11日以降、過去の時間と、現在の時間に分け隔てられ、二重の時間を生きることを余儀なくされている人はたくさんいる。その二つの時間の行き来は、あの世とこの世、前世と現世ほどの距離があるのではないかーー。
「ある晴れた日に」は、現在する過去を描いた戯曲である。現在の時間と、現在に潜在する過去の時間を、二つの部屋と二人の男として表し、一人の女が二つの部屋を行き来する構造になっている。
人が生きる時間は過去から未来へと真っしぐらに進む一つの直線ではない。人生の時は、今という瞬間から四方八方に広がり、他者の今と繋がり、絡まり合って、思いも寄らない方向へと網のように広がっていく。わたしたちは、未来ばかりを眼差し、追い求めているが、未来の出来事はまだ起きていない。
未来は、現在からも引き出せるし、過去からも引き出すことが出来る。天災や事故のように壁のように立ち塞がり、わたしたちの時を突然閉ざすこともある。
「ある晴れた日に」は、三つの場所で上演する。小高(福島県南相馬市)、仙台(宮城県)、盛岡(岩手県)で、それぞれ異なる三つのラストシーンを用意する。主人公の女は、現在に留まるのか、過去に引き戻されるのか、時間の彼方に飛び出すのかーー
青春五月党「ある晴れた日に」
2019年10月30日(水)~11月2日(土)
福島県 La MaMa ODAKA
2019年11月4日(月・振休)
岩手県 盛岡劇場
2019年11月6日(水)・7日(木)
宮城県 せんだい演劇工房10-BOX box-1
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